社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学びます。

組合員とのワークショップを開催。集めた声で「ターゲット 2030」の1次案を固めていった。
コープこうべは、2021年100周年を迎えた。2018年から思案に入った100周年プロジェクトでは、2030年に目指す姿「ターゲット 2030」の策定をメインに進めた。周年を指揮した佐藤寿見子氏は、「組合員や職員一人ひとりが主役という意識です。誰もが共感でき、参加できる企画を設け、一緒にコープの未来、地域の未来を考えていく。より多くの人々の知恵と想いを寄せあえるプロセスを大事にしています」と説明する。
約9000人から集めた生の声
「ターゲット 2030」策定の為に行ったのが2019年から実施した、各地域でのワークショップだ。テーマは「10年先の未来がどうなっていてほしいか」。どんなまちで暮らしたいか、その為にコープこうべにどんな役割を期待しているか、総計約9000人の声を集めた。
「地域貢献、社会貢献は創業以来ビジョンとして掲げ、実際事業としても、取り組んできた歴史があります。地域の未来を考える上で、上澄みではなく、みんなの意見を反映させたいと思いました。スタッフで1件1件読み込んで、改めてコープこうべの存在価値を一緒に考えていった形です」。
声を分析した結果、より多出したキーワードから浮かび上がったテーマが、①人と人とがやさしさでつながり、助け合える ②健康でいきいきとした毎日を送れる ③自然環境と共に生きる ④みんなが笑顔で安心できるの4つだ。
「実はビジョン策定の過程で新型コロナの感染拡大がありました。しかし、出てくるキーワードがその前後で変わることはありませんでした。私たちの目指すべき姿、地域から求められている姿は、どんな状況であっても揺るがないんだと確信もできました。『コープこうべがあるから1~4な暮らしができる』と言ってもらえるように、ビジョンに落とし込んでいきました」。
100周年記念ソング制作!
しかし実行に移さなければただの絵に描いた餅。実際に...