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スポンサーシップ未来予想図

スポーツの社会的価値は、どのように可視化できるか

山口志郎(流通科学大学)

社会における、より良い自社の在り方を考えるにあたり、スポーツ・スポンサーシップを、今どのように活用できるのか。今回はスポーツ自体の「社会的な価値」を見直します。

スポーツの社会的価値とは何でしょうか。「何となく社会にとって良いもの」と感じる社会的価値をどう可視化するか、近年ビジネス界において、スポーツの社会的価値の可視化に関心が高まっています。

本稿では、Jリーグの松本山雅FCが実施している巡回サッカー教室を事例に、スポーツの社会的価値について紹介します。松本山雅FCは、年間649回のホームタウン活動を行い、そのうち保育園や幼稚園の子どもを対象とした巡回サッカー教室を年間129回(2019年度)実施しています。巡回サッカー教室には、松本山雅FC以外に、スポンサーを含む様々なステークホルダーが関わり、活動を支援しています。

この巡回サッカー教室によってもたらされる社会効果について、私が参画している「Sports Social Impact Lab」(*1)では、社会的投資収益率(以下、SROI:Social Return on Investment)を用いて、社会的な活動を貨幣価値(*2)に換算し、定量的な評価を行いました。SROIの測定では、ステークホルダーの労働時間や資本投資をインプットに、巡回サッカー教室の活動回数をアウトプットに設定しました。

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