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企業倫理から考える広報

ステークホルダーの先入観を捨てる

杉本俊介(慶應義塾大学)

社会からの信用が問われ、ビジネスに倫理が必要な時代。何らかの葛藤に直面した時、どう筋道を立てていけばいいのか、組織を取り巻く事象から考えます。

世界経済フォーラムは2020年、「ステークホルダー資本主義」をテーマに掲げました。企業は株主利益ばかり追いかけず、あらゆるステークホルダーの利害を配慮すべきだと。新型コロナ、気候変動。迫り来る危機に直面して、株主資本主義の時代は終わりを告げたのです。

ところで広報ほど「ステークホルダー」を意識する仕事は他にあるでしょうか。広告が主に(潜在的)顧客に焦点を当てた活動なのに対し、広報は様々なステークホルダーとの関係づくりを目指します。顧客だけでなく、IRでは株主や投資家、社外報では取引先や地域社会、社内報では従業員、さらにメディアを通してこれらすべてのステークホルダーに意識が向けられます。

「ステークホルダー」という言葉はアメリカのビジネス倫理学者R・エドワード・フリーマン教授が世に広めたことは案外知られていません。倫理と深く結びついた概念なのです。

1980年代フリーマンは、ストックホルダー(株主)という言葉をもじり「ステークホルダー」という言葉を「組織の目標達成に影響を受ける、または影響を与えることができるすべてのグループまたは個人」として使い始めました。組織の目標達成にはグループや個人の利害関係をマネジメントし統合するフレームワークが必要と考えたのです。

フリーマンはここで...

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