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元ディレクターが直撃取材!テレビ番組制作者の本音

news zeroが目指すニュースのじぶんごと化 求める情報は?

下矢一良(PR戦略コンサルタント・合同会社ストーリーマネジメント代表)

テレビ東京出身で経済番組のディレクターを務めていた筆者が、実際に人気番組の制作者にインタビューしメディア対応の極意を聞き出します。

『news zero』

日本テレビ系列で2006年開始の報道番組。平日深夜から生放送。メインキャスターに有働由美子アナ、キャスターを櫻井翔が務める。

総合デスク 大井秀一氏

若い世代にもっとニュースを身近に感じてもらいたいという想いから、23時台のニュース番組では毛色の違う発信を行う『news zero』。今回は、番組の編集方針の取りまとめ役を務める、大井秀一総合デスクに話を聞いた。

若い人にニュースを身近に

『news zero』は他の番組にはない、ユニークな制作体制を敷いている。「報道局としてニュースを担当しているのは、約50人です。さらに、カルチャー班が約15人。これとは別に、スポーツ局の担当がついています」。

カルチャー班とは、影響力のあるアーティストの先進的な取り組みや、音楽や演劇を通じた社会貢献活動など、社会性の強い文化的な試みを取り上げるチームのこと。番組発足当初から設けられており、他のニュース番組では見られない体制だ。この体制も「若い人にニュースを見てもらうきっかけにしたい」という想いから、生まれたのだという。ニュース、スポーツ、そしてカルチャー。これらが三位一体となっているのが『news zero』の大きな特徴だ。

他の番組には見られないカルチャーに特化した取材体制、また若い世代へのアプローチは、広報が番組とコミュニケーションを取る上でも意識したいポイントだ。

行動を促す番組へリニューアル

2019年の10月には、さらなる強化を図るべく、大井総合デスクらが中心となって、リニューアルを行った。

「新たなコンセプトは『ニュースをじぶんごとに』です。ニュースの切り口も『明日からこうしてみよう』と、実際に行動してもらえるものを意識しています」と大井氏。

例えば、放送した震災のニュースをきっかけに、「防災を考えなきゃいけない」と意識してもらうだけではなく、家族で事前に安否確認の方法や避難場所を話し合う、など具体的な行動まで実行してもらうための情報を目指しているという。視聴者にとって等身大で、「じぶんごと」として考えられるところまで落とし込むのだ。

実は、こうした番組コンセプトは...

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