“三日月”という同学の校章をモチーフに卒業生に向けたエールをSNS上で集めたプロジェクト「#今夜はKGmoon」。OB・OGから共感の輪を広げ、同校の中長期的なブランディングにつなげる戦略性に迫る。
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コロナ下で授業、サークル活動などリモートへの移行が余儀なくされた大学。教授や友人らとのコミュニケーションも制限されるなか、関西学院大学は2021年3月、卒業となる学生たちにエールを送ろうと、ソーシャルメディアを活用したプロジェクトを実施した。
ハッシュタグ「#今夜はKGmoon」のもと、校章と同じ「三日月」の写真を添えたメッセージ投稿を在学生やOB・OGらに促した。コンセプトムービーが卒業式本番でも上映され、その後、SNSを通じて集まった投稿で構成された動画も制作した。
「三日月」には、この未曽有の状況下で社会に羽ばたく卒業生らに、顔をあげ前向きになってもらいたい、世界中でOB・OGがつながっているというエールを表現したい、という大学側の想いがあった。
実施後、卒業生やその保護者からは「味方でいてくれるOB・OGの方々が社会にこれだけいることに勇気がでた」「大学側の想いも伝わり、子どもがいい大学に通うことができたのだとありがたく思った」と好評を得た。
また14の国と地域から457投稿が集まり、フジテレビアナウンサーの永島優美さん、阪神タイガースの近本光司さんなどOG・OBの著名人からもメッセージを集めるなど、拡がりを見せた本プロジェクト。その裏には、広報が積み上げてきたソーシャルメディア上でのつながりと戦略的なメッセージ設定があった。
母校愛という資産、どう活かす?
本プロジェクトは、広報室と、OB・OGで構成されるPR・クリエイティブチーム「TEAM Kwansei Tokyo」が連携し企画、運営を行っているのが特徴だ。チームには...