ひとりで広報活動をしている担当者は、日ごろの業務でどんなことに取り組んでいるのか、業務における工夫や、悩んでいること、これから目指していきたいことを教えてもらった。
鈴木:中小製造業向けのシステム開発などを行うテクノアでは、2020年、広報や企業ブランディングを扱う部署を立ち上げました。メンバーは兼業含め10人いますが、本社は岐阜にあり、東京本部は私ひとりで活動しています。プレスリリースや取材対応、ソーシャルメディアの発信を担当しています。
角:鳥取県西部をエリアとするケーブルテレビの中海テレビ放送で、2020年営業部に広報課が新設され、そこでひとり広報を担当しています。リリースやSNSの発信の他、チラシ作成や新聞広告など広告宣伝業務も兼務。昨年は、開局記念日にコーポレートサイトを立ち上げました。サービス紹介が中心のHPに加え、コーポレートサイトが出来たことで会社の取り組みをしっかり伝えられる環境が整いました。
鈴木:昨年グッドカンパニー大賞のグランプリに選ばれ、社長取材などのPRの切り口ができました。こうした受賞もあり、社内で企業ブランディングを強化しようとする機運が高まっています。
角:当社では2001年から「10年で泳げる中海(なかうみ)」を合言葉に「中海物語」という番組を毎月1回放送し、市民の皆さんと一緒に中海の水質浄化活動に取り組んできました。その歩みをまとめたドキュメンタリー番組が昨年、第57回ギャラクシー賞 報道活動部門で大賞を受賞し、発信の機会が増えました。またコロナ禍でのマスク配布など地域に貢献する施策のリリースも行っています。SNSでも、まちの人たちに話題にしてもらえる投稿をしたいですね。
鈴木:いいね数が増えると励みになります。この会社、面白いと思ってもらえる、広報発の企画をしていきたいです。
未経験で広報に着任、まず何を?
角:未経験で前任者もいないので、広報・PRの入門本を探し、「広報と広告の違い」を知るところから始めました。お客様対応の部署から広報へ異動した直後に、来期の計画を立てねばならず、手探りでした。
SNSで心掛けていること
角:コーポレート系のアカウントを担当していますが、番組紹介アカウントは他に担当がいます。多くの人に見られるSNSになるよう、今年度から定例で打ち合わせをしていく予定です。
鈴木:前向きな発信にするようにしています。また、企業アカウントであっても、人間味があるような投稿をしたいと思っています。
メディアリレーションズの悩みは?
鈴木:東京はメディア企業が多くあるので、本当はメディアキャラバンをしたり、国会図書館に入り浸ってメディア研究をしたりしたいのですが、コロナ禍の外出自粛があり、ワーキングママとしての時間制限もあるので、思うように動けていないのが悩みです。
企業ブランディングの悩み
角:ブランディングの他社事例を集めています。昨年SDGメディア・コンパクトに加盟しSDGsを推進している中で、どのようなブランディングをすべきなのか、新聞の全面広告やHP、SNSの他に何が必要なのか考えている最中です。
効果測定の悩み
鈴木:部署が出来上がったばかりで、これから数値目標を決めていく段階です。プレスリリース本数といったアウトプットだけでなく、広報部門の目的に対する成果を見ていかないといけないと思っています。
情報収集の悩み
鈴木:社内でネタを探し、時流と自社のサービスがつなぎ合わせられないか、考えています。しかし大事な情報は本社に集まりがちなので、収集に苦労しています。

中海テレビ放送
営業部 広報課
角 美佳氏

テクノア
東京本部
鈴木奏美氏
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