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地域活性のプロが指南

クラウドファンディングで合戦? 広大なエリアを漏らさずPR

中西拓郎(ドット道東 代表理事)

2019年5月から道東の課題解決に取り組む「ドット道東」。その前身の取り組みとなった「道東誘致大作戦」。エリアごとのPR合戦を生み出した仕掛けづくりとは?

『道東誘致大作戦』はクラウドファンディングで資金を調達。目標60万に対し、84万6000円の支援が集まった。

北海道の東側、道東地域で活動している「ドット道東」。今回は「ドット道東」創業のきっかけとなったプロジェクト「道東誘致大作戦」について解説していきます。

「道東誘致大作戦」は私たちが活動する道東地域で行った2泊3日のツアーイベントプロジェクトです。日本各地のあらゆるローカル地域を訪れている5人をゲストに迎え、道東を2泊3日で案内するツアー企画。

ツアーの行程を経て、最終日には感想を含めた道東の未来について考えるトークイベントを開催しました。開催費用についてはクラウドファンディングで募集しました。

チャンスを逃さない

プロジェクトの始まりは2017年、冬。以前からつながりのあった、どこでも地元メディア「ジモコロ」編集長の徳谷柿次郎さんとの「流氷を見たい」というひょんなSNSでのやりとりからでした。徳谷さんを含む5人の方の賛同を得て、道東への来訪が決まりました。

こちらから「来てほしい」とオファーすることなく決まったこのプロジェクトは、ある意味「おいしい」状況でした。このチャンスをどのように活かしたらいいのか?筆者ひとりでは実現は到底不可能。そう考えた時、頭に浮かんだのは道東各地で同じように地域に根ざした活動を行っていた現・ドット道東のメンバーでした。

しかし、開催するにあたりお金もない、時間もない(話が持ち上がったのは秋で開催は冬)状況。苦肉の策としてたどり着いたのは、クラウドファンディングで開催費用を募るというものでした。それも、ただイベントを開催するだけでは意味がないため、これをきっかけに道東全域を知ってもらえたり、各エリアがつながっていくことを目的に企画を進めました。

ドラマを生み出す仕掛けづくり

しかし、道東という地域はとても広大で、2泊3日程度で回り切ることは難しいです。ある地域には行けて、ある地域には行けないという中、どのように道東全域を巻き込む企画ができるのか?その中で編み出したのは道東地域を十勝、釧路・根室、オホーツクと大きく3つの地域に分け、それぞれの地域でイベントの誘致合戦をしようというものでした。

3地域それぞれで親交のある方々と一緒に「道東誘致大作戦のツアー・トークイベントを自分の住んでいる地域で開催してほしい!」と呼びかけ、「投票型クラウドファンディング」と言える手法を...

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