日本唯一の広報・IR・リスクの専門メディア

           

広報メディア温故知新

マクルーハンがもしTikTokとYouTubeを目にしたら?

飯田 豊(立命館大学)

広報活動には、新しいメディアが積極的に使われています。メディア史の観点から考察すると、どのような期待のもと、メディア利用がなされているのか、その本質が見えてきます。

TikTokで昨年、洗面台の排水管から泡が吹き出す映像がバズったのが、アース製薬「マッハ泡バブルーン」。もっともTikTokを普段それほど見ていない筆者は、この映像をYouTubeの検証動画で初めて目にしました。広島のローカルタレント中島尚樹さん・井上恵津子さんご夫妻のチャンネルです(*1)。若年層を中心に見た目のインパクトが話題になった上で、テレビで中高年からも厚い信頼を得るタレントさんが、ほのぼのと効果を検証。ネット拡散展開のお手本のように感じました。

*1 中島家チャンネル https://www.youtube.com/watch?v=C1SO5qsFi-A

1960年代に一世を風靡した文明批評家で、広告業界にも大きな影響を与えたマーシャル・マクルーハンが生きていたら、現代のネット社会をどのように捉えたでしょうか。投稿の連鎖によって共感の輪が広がっていくTikTokの短編動画を「クール」、饒舌なYouTuberの検証動画を「ホット」と評したのではないか、と筆者は想像します。

ホット/クールなメディア

マクルーハンにとって「ホットなメディア」とは...

あと68%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

広報メディア温故知新 の記事一覧

マクルーハンがもしTikTokとYouTubeを目にしたら?(この記事です)
災禍の情報の混乱が、新たな広報手段の発見に
存在価値を高める企業博物館
社員だけが読者ではない「オープン社内報」
「あつまれ どうぶつの森」の巧みな企業利用

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
広報会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する