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ニュース×検索×教育・研究 文系が挑む新たな発信の形

谷ノ内 識(追手門学院大学)

2020年10月23日に劇場公開された映画『朝が来る』。10月31日には河瀬直美監督が来阪し舞台挨拶が行われました。この場には追手門学院大学の教職員3人がいました。舞台挨拶の後には河瀬監督と懇談する機会も設けられ、映画のテーマでもある「特別養子縁組制度を通じた家族のかたち」について直接、感想を伝えました。

(左から)河瀬直美監督、追手門学院大学 益田啓裕講師、金政祐司副学長

プッシュ型からプル型へ

冒頭から映画の舞台挨拶の話で始まりましたが、今回は本連載15回目で取り上げたオウンドメディアの第2章です。前回は大学におけるオウンドメディアを概括しました。実践例のひとつとしてプレスリリースをSNSと連携させて露出を拡大させることの重要性を紹介し、最後に「次の手を企画中」と結びました。この「次の手」が一般的な(狭義の)オウンドメディアに位置づけられる自社ニュースサイト、追手門学院の場合は2020年6月に開設したばかりの「OTEMON VIEW(オウテモン ビュー)」です。

もちろんこれまでも本学に限らず大学はどこも公式ホームページにニュースサイトを設けています。そこには大学からのお知らせ情報をはじめ、ニュースやイベント告知などをまとめたページ、教員の研究内容や実績をまとめたページ、学生生活やクラブの取り組みをまとめたページなど、ニュースと取り組みが一緒になって掲載されています。これらはホームページにアクセスした多種多様な人が必要な情報を得るのに不可欠なものですが、あくまでその大学を認知した上でアクセスした人にしか届きません。

「大学本来の強みである教育や研究を、その大学を知らない人に伝えるにはどうすればよいか」「プレスリリースや広告出稿は受け手に対してプッシュ型で発信はするけれど、そもそもその大学に関心のない人はスルーしているのではないか」この2つの命題は常に付きまとっていました。「プッシュではなくプル型の発信はできないか」。

そこで考えたのが、時事ニュースを自大学の教育・研究情報で再編集して新たなニュースとして発信する、既存のホームページとは独立させたニュースサイト「OTEMON VIEW」です。東洋大学(本誌2018年7月号「スタートしてもうすぐ1年『LINK UP TOYOの今』」を参照)や近畿大学でも取り組まれていますが、いずれも理系学部があり、追手門学院大学のような文系中心大学では珍しく、そこに独自性を求めました。

ただ発信するだけでは従来の大学広報誌に掲載するような研究紹介記事と変わりませんので、時事ニュースを切り口にキーワード検索を意識した構成とする。自大学が伝えたい教育・研究そのものの発信ではなく、社会的関心事である時事ニュースを...

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