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記者の行動原理を読む広報術

忙しい記者にも書いてもらうプレスリリース作成の極意とは?

松林 薫

コロナによる売上低迷挽回のため、年末年始の商戦にかける企業も多いだろう。広報もメディア露出を増やし、売上に貢献することを期待されているはずだ。しかし、忙しい記者にどう記事化してもらえるか。そのノウハウを著者は語る。

内閣府は12月8日、2020年7~9月期の実質国内総生産(GDP、改定値)が年率換算で22.9%増になったと発表した。個人消費が上振れし、V字回復となった11月公表の速報値をさらに上方修正。内需の落ち込みに、ひとまずブレーキがかかった。ただ、水準としてはまだ低い上、大都市を中心に感染の「第3波」も来襲した。

多くの企業では売上の低迷が続いており、広告費などマーケティングにかけられる予算も大幅に減っている。こうした時期には、お金をかけずに大きな広告効果が見込めるマスメディアでの露出に期待がかかるものだ。今回は、商品のプレスリリースをどのようにつくれば、記者が取り上げる気になるのか考えてみたい。

親切なリリースが露出増の鍵

筆者も日本経済新聞で記者をしていたころは、毎日のようにプレスリリースを記事化していた。日経の記者は日経産業新聞など専門媒体にも出稿しなければならないので、とくにリリースの処理量が多いのだ。発表が増える週末の夕方などは、他紙の記者から「馬に食わせるほど原稿を書いている」と揶揄されるほど忙しかった。

ところが最近は、他の全国紙でも同じような状況になりつつある。新聞離れの加速により人員削減が進み、記者一人当たりが担当する企業数がどんどん増えているからだ。

自分の経験から言えば、こうした状況になると記者は発表内容のニュース価値とは別に、「処理がしやすい」リリースを優先するようになる。裏返すと、一読して追加取材に手間がかかりそうだったり、文章が読みにくかったりすると、つい敬遠してしまう傾向があるのだ。かつて広報業界には「リリースに盛り込む情報は不親切なくらいが記者の取材意欲をかき立てるので良い」という説があったそうだが、現在では逆効果だろう。

即座に価値判断できる見出し

では記者にとって、どんなリリースが理想的なのか。特に重要なのは、❶タイトルだけで「何がニュースか」が明確に分かる ❷記事の第1文が書きやすい ❸データなど客観的なファクトで説明されている、の3点だ。

なぜタイトルが重要なのか。仕事が忙しくなってくると、リリースの本文にじっくり目を通す時間がなくなるからだ。それどころか、タイトルを見て重要かどうか判断し、処理が必要そうなときだけ、本文の冒頭に目を通すという流れになる。

実は、これは記者が新聞を読むときのスタイルだ...

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