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PR視点で読み解く コロナ下のヒット

「客室内でキャンプ」という新たなプランで 新常態におけるホテルの『日常使い』を提案

三井不動産ホテルマネジメント

コロナにより企業は以前と異なる切り口からも企画を練る必要性が生まれた。しかし、それがヒットすることも。その好例が三井ガーデンホテル千葉のとあるプランだ。プランの背景や実践されたPRの方法を三井不動産ホテルマネジメントの担当者に聞いた。

ホテル客室内でのキャンプの様子。三井ガーデンホテル千葉では2021年3月31日までキャンププランが利用可能だ。

三井ガーデンホテル千葉(千葉県)は、コロナ禍の2020年7月、とあるサービスの提供を開始した。それはテント、寝袋の他、折りたたみ式のテーブルセット、LEDランタンなど、いわゆるキャンプ道具一式を用意した、“室内で屋外キャンプ気分が楽しめる”プランだ。

企画背景はスタッフの発案

企画の背景に同ホテルの従業員の実体験がある、と話すは三井不動産ホテルマネジメントの広報担当者だ。「スタッフが、コロナで自粛中でも何か子どもに夏休みの思い出をつくってあげたい、と考え、自宅でキャンプのテントを張り、キャンプ気分を味わうという遊びを行ったそうです。すると、子どもが非常に喜んだ。それで、ホテルでも同様のプランをファミリー向けに販売しよう、となりました」。

サービス開始当初は、県内在住者を対象に1日1室、さらには同年9月まで、とかなり限定した内容だった。しかし、地元紙が報じると注目の的に。キー局からも取材され、予約は殺到。今なお人気は続き、サービスの終了も2021年3月末まで延長された。

好評の理由を担当者は、「もともとコロナ禍で世間がレジャーに対して諦めムードになっていた中、いち早く発想の転換をして、ホテルの新たな活用法として、衛生管理の行き届いたホテル内でアウトドア気分を味わうというステイケーション()を提案できたのが露出の最大化につながったと思います。また...

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