『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』がコロナ禍で異例の大ヒット。Twitter上では、誰のどのような話題が盛り上がりを見せたのか。『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』の著者が解説する。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の公開日を発表したリリースでは、キービジュアルを「解禁」した。
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
2020年10月16日に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。公開日の前後で「鬼滅」関連の投稿がどれだけあったのか、Twitter話題量の推移を表したのが図1です。多くの映画は、公開初日に話題量のピークが来ます。一方で同作は、公開後も複数の山ができ、話題量の減り具合も緩やか。話題化の燃料となるネタが、豊富に投下されています。この波形は“イジりネタ”で何度も話題が盛り上がった『翔んで埼玉』に似ています。
BuzzSpreader Powered by クチコミ@係長調べ 期間/2020年10月1日~11月27日
出所/著者
Twitter上に出ていた話題を大きく分けると、①公式の情報発信 ②企業コラボ ③映画をネタにした二次創作の3つで、盛り上がりが見られました。
ファン垂涎ネタを次々「解禁」
リツイートが最も多かったのは「鬼滅の刃公式」アカウントの投稿です。特徴的なのは、「解禁」とうたった投稿。映画のPV解禁、キービジュアル解禁、と非公開だった最新情報を徐々に発信しています。歓喜したファンがその投稿を拡散し、話題が維持される形です。
作品の世界を深く探究したいコアファンのニーズをつかむ投稿もされています。例えば、描きおろしイラストと共に「本日は宇髄(うずい)(作中のキャラクター名)の誕生日!」とツイート。アニメファンにはキャラクターに設定された誕生日を祝う文化があり、ファンの期待に応えているのです。「おめでとう」の返信が延々と続きました。
原作を掲載する集英社『少年ジャンプ』編集部の公式アカウントも、話題を喚起しています。注目したいのは「フォロー&RTで、ポスターを抽選で3名様に」といった投稿。当選者は少人数でもファンが喜ぶプレゼントを継続的に行っている点です。たとえ当選しなくても、何度でも参加したくなるコンテンツを…