コロナ下でも組織のコミュニケーションの質を上げていくには、どうすればいいのか。コミュニケーションストラテジストの岡本純子氏と、クリッピングサービスを提供するエレクトロニック・ライブラリーの渡辺英史氏が、話し方や情報共有法について語り合う。
「視線」合わせ、相手とつながる
渡辺:リモートワークでは、物理的な距離が離れた分、心理的な距離を縮めるコミュニケーションが課題になっています。
岡本:オンライン会議で画面越しに話すのが苦手、という方も多いと思います。私がまずおすすめしているのは、アイコンタクト。視線を合わせると、聞き手とのつながり方が変わります。脳が同期するんです。相手と目線を合わせるには、画面ではなく「カメラ」を見ながら話します。
渡辺:画面に映る相手の顔を見てしまうと、視線がズレてしまうわけですね。
岡本:視覚に加えて、聴覚からの情報も、印象を大きく左右します。声のスピード、音量、抑揚、間。これが相手の注意を引きつけます。
渡辺:ダラダラと話が続くと、画面越しだとどうしても集中力が途切れてしまいます。
岡本:そうです。内容をコンパクトに伝えることが大事です。伝えたいことをまずは、一言でまとめる。このエクササイズには、新聞記事の見出しを読むのが最適です。見出しは情報のエッセンスを簡潔に表現していますから。
渡辺:リモートワークに移行してから、組織内のコミュニケーション量全体が不足しているのも気になります。
岡本:コミュニケーションの質・量が落ちているケースが目立ちます。社内SNSのようなツールも有効です。社長が積極的に参加したりすることで、コロナ前より組織のつながりが深まった例もあります。
渡辺:トップと社員の対話は、モチベーションに直結します。ただ実際リアルでやろうとすると結構大変なんですよね。
岡本:外資系企業だと、本国のトップがビデオメッセージでエネルギッシュにプレゼンしたりして、コミュニケーションの質を高める工夫もしています。
渡辺:これまで対話するというと、失礼のないように話すことに気を取られがちでしたが、オンライン会議だと、本当に相手に伝わっているのかについて、もっと意識を向けていかないといけないですね。
岡本:広報部門の役割は、メディア対応というイメージがありますが、このリモート時代は、社内コミュニケーションが特に重要になっています。例えば社員がキャスターになって情報をニュース風に伝えるコミュニケーションも面白いですね。そうした発信のチャネルを外に広げていくと、結果的に社内広報が、社外広報につながっていきます。好例が「トヨタイムズ」ですね。
ニュースが対話の突破口に
渡辺:社内への情報共有を円滑にするために、活用すべき情報はありますか。
岡本:共通点があると人は話しやすくなります。出身地が一緒だとか。そういった意味で、今日のニュースに対して「これについてどう思う?」と問いかけるのは、良い話のきっかけになります。
渡辺:そうですね。オンライン会議における資料作成にはどのような工夫が必要でしょうか。
岡本:「三密」を避けることです。絵、文字、図が多すぎて密になると相手に伝わりません。目が迷って、資料のどの部分を話しているのか、わからなくなります。「コンテンツディスタンス」を心がけましょう。配布資料と投影資料を分けるのもいいですね。
渡辺:オンライン会議でのアイスブレイクのコツはありますか?
岡本:在宅勤務している場合は、家にある何かを持ってきて、話してもらったり、参加者のお気に入りの曲をかけたり。ファシリテーターが番組を進行しているような感覚で、対話を促進できるアイスブレイクがいいと思います。
渡辺:相手に耳を傾けてもらうには能動的にコミュニケーションしていかないといけませんね。
岡本:伝える・伝わる・つながるの3段階のうち、伝わる、つながるに到達するには、聞き手が受け取りやすいボールを出す必要があります。相手は、聞きたい情報しか聞いてくれませんから。どうしても伝えたいことがあるときは、「今日持ち帰ってほしいことはこれです」と旗を立てる言葉を使うのも有効です。
渡辺:早速実践してみます。
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新聞107紙のほか、Webニュース約1500サイトの中から、必要な記事だけを朝7時台に、パソコンやスマートフォン、タブレット端末から確認できるので、リモートワークでも必要な記事を見逃しません。人手で切り抜く手間が効率化され、新聞各社から利用許諾を得て記事を提供しているので、著作権も安心です。記事にコメントを付ける機能があるので、「〇〇の案件に参考になる」などと記載することで、社内の情報共有・コミュニケーションを促進できます。
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