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IRの学校

IR分野での理念発信【後編】

大森慎一(バンカーズ)

広子たちはIR担当として、忙しくも刺激的な日々を送っている。新型コロナに対応した新しいビジネス様式、とりわけIRに関する環境を模索している。そんな中、経営理念の発信を見直したいと社長からリクエストがきた。



広子東堂:こんばんは。

大森:こんばんは、今日は経営理念の話の続きだよね。前回あらかた定義などは解説したけど……。

東堂:はい。今日は経営理念の発信について伺いたいと思います。

大森:社内でも経営理念の発信について議論しているのかい?

広子:社長をはじめとする経営陣とも密に話し合っています。

大森:いいねえ!じゃあ、社内で議論した内容を聞いてみようかな。

経営理念も見直しが必要!?

広子:そうですね。議論というかフリートークに近いんですけど……。まとめると「発信する前に一度見直そう」という意見が多かったと思います。

大森:なるほどね。じゃあなんで見直した方がいいという意見に至ったんだろう?

広子:そうですね……東堂、そのあたり説明できる?

東堂:ええっと……そうですね、専務のお言葉を借りると、ひとつは「今の経営理念は創業社長である先代がよくお話になっていたことをうまく表現していると思うけど、今の時代に発信すべき内容か、また、今の当社の業容と比較すると必ずしも最適とは言えない」という話でした。

広子:そうそう!後は「経営理念と実践内容とのギャップも感じる」とも。こうして振り返ってまとめると、いずれの問題意識も、発信前提で考えたという話で、前回お聞きした内容の範囲ですね。

大森:発信をキーに話し合うとそうなるかな。でも、発信を本格化する前にもう一度確認しようと、上が意識してくれるのは本当にありがたいね。

広子:そうですね。どのように始めればいいと思いますか?

大森:どうせなら、内容と表現方法の二面から見直した方がいいだろうね。まずは、内容なんだけど、経営理念の持つ意味合いをもう一度整理したいと思う。広子さん、経営理念とは企業にとってどんなもの、どんな意味を持つものだと理解している?

広子:哲学的な問いですね。そうですね……企業を理解してもらうための要約だと思います。

大森:ほうほう、東堂さんは?

東堂:前回、ステークホルダーとのコミュニケーションの軸になっているという話を伺いましたから、各ステークホルダーに対する約束のようなもの、という風に考えていました...

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