広報活動には、新しいメディアが積極的に使われています。メディア史の観点から考察すると、どのような期待のもと、メディア利用がなされているのか、その本質が見えてきます。
企業博物館(*)が脚光を浴びた年、と言えば2019年度。その筆頭に挙げられるのは、滋賀県長浜市の「ヤンマーミュージアム」(2013年開館)でしょう。佐藤可士和氏をクリエイティブディレクターに迎え、2019年10月にリニューアルを果たしました。
横浜のみなとみらい地区はもともと企業博物館が多い地域ですが、資生堂が2019年4月、博物館機能を備えた研究開発拠点として「グローバルイノベーションセンター」を開設、そして京浜急行電鉄が2020年1月に「京急ミュージアム」を開館し、さらなる集中が進んでいます。また「三菱みなとみらい技術館」(1994年開館)は段階的にリニューアルを行っています。
2000年代以降、「経験経済」や「モノからコトへ」といった消費動向を踏まえて、企業理念を体感できる企業博物館が増えていきましたが、「体験型」ないし「コミュニケーション重視」であるがゆえに、コロナ禍によって大きな難局を迎えています。
臨時休館がまだ続いている博物館もありますし、そうでなくてもイベント自粛をはじめとする業務縮小を余儀なくされ、徹底した感染症対策が求められています。社内見学や工場見学についても...
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