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建学の精神が浸透する 大学広報ケーススタディ

三重大の忍者研究 地域に貢献する知の拠点に

山田雄司(三重大学)

地方国立大学として、地域住民・地域社会との協働を実践している三重大学。2012年に始まったのが忍者研究だ。研究成果は講座の形で地域に還元されている。さらに、伊賀の特性を活かした忍者研究は国内外のメディアからも注目を集めている。

「忍者・忍術学講座」2020年度後期講座の内容を紹介したチラシ。YouTube配信となり、より多くの人への知識の“還元”が可能となった。

「三重の力を世界へ」。このスローガンのもと、地域と連携しつつ、社会の発展に貢献する人材育成などに取り組むのが、私の勤務する三重大学だ。本学では、自治体、企業、市民などと連携し、地域社会に貢献する「地(知)の拠点」としての基盤強化、さらに地域に不可欠かつ地域と共に成長する地方大学の理想形を模索する動きが活発化していた。

そんな中、2012年、地元商工会議所、伊賀市と連携し、伊賀地域の“特性を活かした”地域活性化と世界発信、共同研究に取り組むこととなった。その中核に据えられたのが「忍者研究」だった。

忍者研究ことはじめ

そもそもなぜ、忍者なのか。研究動機は、伊賀が「忍者発祥の地」とされ、国内外で「忍者」という名称はよく知られているものの、その内実は確固たる研究がなかったことによる。

そこで...

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