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建学の精神が浸透する 大学広報ケーススタディ

スローガン「京大力、新輝点。」通じ学風の浸透努める

京都大学

1897年、日本で2番目に立てられた歴史ある大学、それが京都大学だ。2022年、創立125周年を迎えるにあたり新スローガンはじめ記念事業を展開する。理念、学風の浸透のために、どのような取り組みを行っているのか。話を聞いた。

創立125周年記念として掲げられたスローガン。

DATA

創立125周年記念事業の展開に際し、「125周年記念事業準備室」を立ち上げた。構成は、総務部総務課、広報課、渉外課の職員が兼務(計17人)。同準備室が旗振り役となって、スローガンの浸透などに努めている。

    問1 周年スローガンに込められた想いと、展開される施策を教えてください。

    2022年に創立125周年を迎えるにあたり、前提として、大きく2つのことを意識しました。ひとつが、京都大学ならではのスローガンであること(大学名を差し替えて成立するようなものでない)、もうひとつが過去を振り返るのではなく、未来志向のイメージを持たせられるよう、案を練りました。

    そうして完成したスローガン「京大力、新輝点。」は、「京大力」と「新輝点」の2つの造語の組み合わせで構成されています。

    「京大力」は、文字通り、京都大学の力であり、教員や学生だけでなく本学に関わるすべての人が持っている、その人“ならでは”の京都大学を具現化する力のことです。研究や起業など教員、学生それぞれで社会へのアプローチの仕方は異なります。他大学と比べても大きな多様性を持つ本学において、その一人ひとりの持つ千差万別の力を「京大力」と表現しました。

    「新輝点」は、「起点」「機転」さらには「基点」「貴点」「喜点」「奇点」など、京大力を発揮するにあたってトリガーとなり得る様々な「キテン」に、125周年記念の華やかさや、未来に向けてのきらびやかさを付して「新輝点」という言葉をつくりました。

    施策は、創立125周年記念事業に掲げている3つのキーワードを軸に説明します。それは、「国際競争力強化」「研究力強化」「社会連携推進」です。

    「国際競争力強化」としては、世界各国の最優秀層の留学生を学部生で受け入れる「Kyoto iUP」が、年々志願者を伸ばしており、現在3年目の学生が予備教育課程で学んでいます。さらに、創立125周年記念事業として2022年度には大幅な増加を予定しています...

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