「ミッションはあるが形骸化している」「今の環境変化や、社会課題に即していないのではないか」「もっと共感、浸透できる言葉にできないか」「社員を鼓舞する、拠り所となるような言葉がほしい」そんな悩みに、広告とPRを組み合わせたクリエイティブPRを得意とする著者がこたえる。
私たち神谷製作所では、ブランドステートメントの改訂やパーパスの策定のお手伝いをすることが増えています。コロナ環境下のテレワーク等の働き方の変化や、ビジネスモデルの急転換によって、社員が中期的な目標を見失いやすく、「時代に合った共通の目的」を設定し、社員達が自律的に動けるようにしたいという企業組織のニーズが高まっているためでしょう。物理的に距離が離れていても、社員達の心を動かし、取引先の意識も鼓舞するような分かりやすい「パーパス」が特に求められているように思います。
ここで言葉の整理です。パーパスとはなんでしょうか?一般的には企業やブランドの社会的な存在意義を言語化したものですが、ミッションと混同しがちです。
もう少し詳しく神谷製作所の定義をご紹介します。パーパスとは、現在使用しているミッションやブランドステートメントに対して、今の時代・環境変化における企業の存在意義を捉えなおしたり(=時事性の追加)、SDGsなどの中期目標に即した言葉にする(=社会性の追加)といった変換処理を施した言葉、としています。公式風に表現すると、ミッションorブランドステートメント×時事性×社会性=パーパスです。
「時事性」や「社会性」というのは、メディアがある事柄を取り上げる時の「ニュース性」のひとつです。当社ではニュースになる基本的な10の要素を整理したメソッド「ニュースマンダラ」(図1)を持っていて、パーパスの浸透度にもその要素が関係します。
出所/著者作成
人の口の端に上ったり、メディアが取り上げるニュースは、このニュース性の内3つの要素を同時に満たしています。企業独自のミッションは「唯一性」を既に満たしており、社員達に浸透するパーパスもニュース性のうち「時事性」「社会性」を意識すると良いでしょう。
この原則は口コミであったり、SNSでの情報拡散にも同じ法則が当てはまります。誰かに何かを言いたくなるとき、この要素が入っていることが多いのです。
企業内コミュニケーションに当てはめると、時事性や社会性を含んだパーパスは、社員の口の端に上りやすく、拡散・浸透しやすい言葉ということになります。みなさんの会社のミッションやビジョンもこのニュースマンダラを使って時事性や社会性が入っているか、ぜひ検証してみてください。
時事性・社会性を含むパーパス
パーパスを具体例でご説明しましょう。神谷製作所のミッションは「未常識を新常識に変える」です。クリエイティブやPRの力を使って、特にベンチャー企業・スタートアップが作る新サービスを世の中の新常識として事業成長させていくことを使命としています。仮に経営者である私がテレワーク環境下でも、もっと社員達に自律的に動いてほしいという課題感を持ち、ミッションをパーパス化したい...