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地域メディアの現場から

岩手県内の33市町村をアポなし旅 高視聴率の秘訣は「日常を伝える」

IBC岩手放送『わが町バンザイ』

ローカルで人気のテレビ番組や地元情報をきめ細かく伝える新聞・雑誌の編集方針や人気の秘密、つくり手の考え方を紹介します。

    IBC岩手放送『わが町バンザイ』
    放送日 毎週水曜日 19時~19時57分
    放送開始 2013年4月
    放送エリア 岩手県
    出演者 浅見智、奥村奈穂美、菊池幸見、川島有貴、江幡平三郎、松原友希、神山浩樹、甲斐谷望(すべてIBC岩手放送アナウンサー)
    スタッフ数 プロデューサー以下、アナウンサー2人、ディレクター1人、カメラマン2人、音声1人の6人編成×4チーム体制。

    反響の大きかった回

    #198 三陸鉄道リアス線開業2時間SP(2019年4月17日放送)
    年に1度、3.11前後に被災地にまつわる場所をめぐる2時間SP。2019年は演歌歌手の徳永ゆうきをゲストに迎え、東日本大震災から約8年で全線開通となった三陸鉄道リアス線でぶらり旅。

    #253 洋野町大野(2020年7月8日放送)
    「復興10年三陸を歩く」シリーズ。観光施設「一人一芸の里 おおのキャンパス」で、「洋野の歌姫」と呼ばれる演歌歌手や、ジャンボ宝くじの券面を手掛けているイラストレーターらと出会った。

    #251 花巻南温泉峡(2020年6月24日放送)
    高村光太郎記念館(花巻市)を訪問し、コロナ禍で共感が広がっている「非常の時」の詩を紹介。緊急事態宣言で休止していたロケを再開した3回目の放送で、高視聴率を獲得した。

IBC岩手放送制作の『わが町バンザイ』は、アナウンサーが2人1組で、岩手県内の33市町村を、アポなしで“行き当たりばったり”で訪ね歩く、というまちブラ番組だ。

2013年4月の放送開始から、今年で8年目に突入した。「ふるさと讃歌バラエティ」を自称し、県民に親しまれている。

日常の大切さに気付いた3.11

「番組誕生のきっかけは、東日本大震災でした」と語るのは、プロデューサーの角掛勝志氏。同県は最大震度6弱を観測、津波によって沿岸地域では甚大な被害を受け、町村役場庁舎からはまちの昔の映像資料が失われてしまった。そこで、県内で最も古い放送局であるIBC岩手放送に「まちの元気だったころの映像を分けてほしい」という声がかかった。

その映像をDVD化するにあたり、社内から「ニュース映像はたくさんあっても、普段のまちの様子や人々の日常はあまり撮っていない」と声があがった。それをきっかけに「まちや人々の日常を撮るような番組」の必要性を感じ、企画に至ったという。

「特別じゃない日常こそ、かけがえのないものだと気付かされました。住んでいたまちが消えてしまっても『ここから離れたくない』『やっぱりこのまちが良い』と思う人も多い。そんな気持ちを映像化したい、と思いました」(角掛氏)と、「ふるさと讃歌バラエティ」というサブタイトルに込めた思いを語る。

こうして誕生した『わが町バンザイ』は、当初は月1回、17時から放送の30分番組としてスタート。しかし、番組開始直後は番組認知度が低いことに加え、震災の傷もまだ深く、順調な滑り出しとはいかなかった。

「沿岸に取材に行くと、震災直後に報道陣が押しかけたため、過熱した報道に心を痛めた人も多く、カメラを見ると『何しに来たんだ』と憤りをみせる方もいらっしゃいました」と角掛氏は振り返る。

徐々に番組コンセプトが浸透していくにつれ、...

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