社員の「幸福度」は生産性に直結! 広報がサポートできる4因子
コロナ禍で多くの企業は苦境に立たされています。そんな中でも生産性を上げていくために、今注目されるのが社員の「幸福度」。幸福学の第一人者である著者が、広報と人事が取り組むべき幸福度向上のヒントを紹介します。
コロナ禍で身体の健康面だけでなく精神的な健康への影響が問題視されている。従業員の「メンタルヘルス」を保つためのポイントを健康経営をサポートしてきた識者に聞いた。
新型コロナ禍では、社員の健康に対する懸念が生まれている。感染対策や運動不足といった身体の健康はもちろん、「メンタルヘルス」と呼ばれる心理的な健康状態への影響が注目されている。「生死の危機に世界中が脅かされている中で、リモートワークも進み、精神的なつながりも希薄になっています。誰しもが見えない未来を不安視し、不安定な状態になりかねない状態です」。
こう話すのはメンタルヘルスの観点からこれまで800社以上の企業、団体の健康経営をサポートしてきた刀禰真之介氏だ。
「メンタルヘルスが崩れるのは社員の3つの“不”(不安、不満、不信)が大きくなったときである」と刀禰氏は説明する(図1)。
「特にこのような未曾有の事態ではこの3つの“不”がいつの間にか大きくなり、会社自体の脆弱化につながりかねない。経営陣はコロナに関する周辺情報や政府の発表、世間の声など様々な情報を加味し、この先起こるであろうマイナス事態を予測。先回りして迅速に対応していくことが最大の防御策となります」。
では具体的に、どのようにすればこれらの3つの“不”を解消できるのだろうか。
まず「不安」の面では、トップが「未来の自社」についてしっかり言語化して示すことが重要であると刀禰氏。世の中の動き(コロナ禍の動き)を敏感に察知、収集し、自社に起こるであろう危機を早くから予測。現在の会社の実情を数値でしっかり開示した上で、従業員とコミュニケーションを取っておくことが「不安」解消につながるという。
刀禰氏自身も、日本でまだコロナの本格的な感染拡大に至っていない2月の時点で、欧米の状況などを踏まえ「リーマンショック以上の経済的ダメージがあるだろう」と予測...