SmartHRは、note上で社内報を公開した「SmartHRオープン社内報」を運営している。体制は少数かつ記事はすべて内製。しかしながら、特別手当の支給、といった社内向け情報が、その内情も綴ることで、社外の人間にとっても立派なコンテンツになることを本事例は示唆している。
企業ブランディングの観点から、社内報の外部への公開を進める動きが見られる。プラットフォームのnoteでは、「#オープン社内報」というタグで、2700件以上が公開(7月末時点)されている。その先駆けとなったのが、クラウド人事労務ソフト事業を行うSmartHRの「SmartHRオープン社内報」だ。2019年3月末にスタートし、今では月5~6本程度記事を公開。同メディアの編集長である同社執行役員兼VPヒューマンリソースの薮田孝仁氏と、副編集長で広報のたけべともこ氏にこの1年を振り返ってもらった。
採用広報を目的に始まった
現状の編集体制は、編集長・薮田氏、副編集長・たけべ氏の他に、人事、広報からそれぞれひとりずつの計4人で構成。コンテンツ制作はすべて内製だ。執筆陣は、4人の他に有志の社員なら誰でも書ける。実際、累計42本の記事が公開されている(2020年8月18日時点)が、執筆したのは、マーケティングや人事労務、デザイナーなどさまざまだ。
開設の主なきっかけは採用広報だが、従業員数が増えるにつれ、社内コミュニケーションを円滑にする“インナー向けのメディア”の必要性も出てきたため、社内外へのブランディング、という意味合いを持つ。
採用広報を目的としつつも、社内報のため、メインの読者はあくまで「従業員」と薮田氏。記事の内容も、社内制度、イベントレポート、人事異動などが大半だ。しかし、noteは他のソーシャルメディアに比べ、ストーリー重視の発信が特徴。そのため、本来なら味気ない社内のネタも、切り口次第でウィットに富んだ記事になる。
例えば...