SDGsはコーポレートブランドの確立に欠かせない共通言語。広報担当者が社内外に向けて発信するためのヒントを探ります。
下着やストッキングなどのアパレル事業を中心に展開するグンゼ(大阪市)。2020年に125年目を迎える同社は、事業を通じて社会課題の解決にも取り組む老舗のSDGs企業だ。同社は2015年に国連でSDGsが採択されたのを受け、事業を通じ解決すべきマテリアリティを4つ選定した(その後、ひとつ追加)。そのうちのひとつがSDGs目標3の「すべての人に健康と福祉を」で、アパレル事業と紐づいている。
「長年のものづくりで培った技術やノウハウを活かしたストレスフリーの商品の開発などで、人々のQOL向上を目指しています」、そう語るのは、同社コーポレートコミュニケーション部 広報IR室の柳澤尚子氏だ。
その代表例が同社きってのヒット商品となった、男性用下着ブランド「AIRZ」(エアーズ)だ。特徴は、腰ゴムがないことと裾のカットオフ(生地端を縫わず、切りっぱなしにした仕様のこと)だ。腰ゴムがなくてもずり落ちず、さらに、裾をカットオフにしたことで摩擦を低減。2018年7月発表時には、ブリーフ、トランクス、ボクサーブリーフに次ぐ「次世代のパンツ」とうたわれ、2020年7月時点で約150万枚の売上をほこる。
実はエアーズ、開発までに5年以上掛かったという。なぜか。「2011年に完全無縫製のレディスのショーツが発売され、そのストレスフリーの履き心地は多くのお客さまに支持いただきました。その後...
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