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サステナブル事業 ケーススタディ

ミレニアル世代求めるは「信頼」 購買決定や就職先を左右するSDGs

加藤葉子(エデルマン・ジャパンレピュテーション&クライシス部門ディレクター)

企業のステークホルダーからの評価の仕方、その変化を「信頼(トラスト)」を軸に観測しているエデルマン。同社の調査で、企業ブランディングにおける信頼の重要性はますます高まってきていることが分かる。そして、コロナ禍の今、信頼獲得の手法としても有用なSDGsへの向き合い方も変化してきている。

まず、SDGsが2015年に国連で策定されたことが、日本においてはことさら重要な意味を持つことを押さえておきたい。というのも、これまで企業がウェブサイト上に“謙虚な形”でしか掲載してこなかった社会貢献活動が、胸を張って語れるようになったのだ。この功績は大きい。

分断きっかけに沈黙する企業

しかし、その流れも失速し始めた。コロナで社会不安が高まるなか、SDGsへのコミットメントを含む社会課題解決への企業姿勢は詮索され、厳しい非難や要求の矛先が企業に向かう事例が増えている。世界各地で分断と対立がデモや暴動へと過熱するなかで、日本に本社を置く企業はどう対応すべきか迷い、海外拠点からの「声を上げよ」との要求に頭を悩ませている。

例えば、「黒人の人権保護への姿勢を公表しなければ不買運動は避けられない」という米国拠点から届く声に、どう対処すべきなのか。もちろん、人種差別を良しとする企業は存在しないと思うが、安易にこの問題に踏み込むことは、ブランド毀損につながりかねない。そうした背景から日本企業は再び沈黙してしまっている。

ウィズコロナ期の向き合い方

では、ウィズコロナ期の日本企業のSDGsとの正しい向き合い方とは。結論から述べると...

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