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著者インタビュー

テレビ露出の切り口を磨く 魅力を言語化する4視点

大林健太郎氏

チバテレ売れっ子プロデューサーが教える
言ったもの勝ち!「勝手に」演出術

大林健太郎/著
秀和システム
192ページ、1500円+税

メディアリレーションズは広報担当者の基本中の基本。企業の広報であればビジネス番組への露出はぜひとも実現させたいものである。著者は千葉県のローカルテレビ局「千葉テレビ放送」のプロデューサー大林健太郎氏。本書ではビジネス情報番組をつくるメディア側の視点から、会社や商品をアピールする際の切り口を①一番になる ②他人の力を借りる ③マーケットをつくる ④スターのふりをするという4つにまとめ、それぞれ大林氏が実際に番組で取り上げ、効果のあった具体的な例とともに解説した。

自社を言語化できていない

大林氏の番組制作は独特である。本来広報が発信すべき、企業や商品の魅力の言語化、企画化を企業へのヒアリングを通し二人三脚で行っていくのだ。「地元の中小企業や個人事業主などに話を聞くと、広報だけでなく経営層も自社の魅力や理念について理解や言語化できていないケースが多いです。この土台の認識をきちんと固め、それらをアイデアに掛け合わせることで番組の『ネタ』にしていきます。本書であげた4つの切り口が“発想の起点”になってくれるでしょう」。

しかし、言語化ができたとしてもテレビはビジュアルで見せるメディア。制作側にとって画がどれだけ撮れるのかは一番のポイントだ。「たとえ商品や会社自体を画として出せなくても、例えば特徴をもつ“人(従業員)”を基軸にPRしたり、商品や事業がどう生活に役立つのかという視聴者の生活に直結する話題に落とし込むことで、魅力ある『ネタ』にすることができます」。

広報は新聞の家庭欄を読め!

大林氏が日頃のネタ収集で重宝しているのが「新聞」である。特に「家庭欄」に書かれた何気ない文章から世間の注目ポイントや潮流を把握するという。「家庭=消費者の声です。家庭で起きた些細なことや不安、不満を知ることで世の中の需要がいまどこにあるかを知ることができます。見落とされがちですが、広報担当者であれば、自社と社会との共通項を見つけるためにチェックしてもらいたいです」。

テレビ露出の魅力とは?

さらに、「テレビに取り上げられてからの発信も重要」と大林氏。ネットやSNSが台頭し、広告費でウェブがテレビを抜くという歴史的変化もあった。そんな中、テレビ出演ならではの“ワクワク感”がテレビ露出の魅力だと大林氏は話す。

社内のコミュニケーションにおいても、ただインフォメーションとして「この番組で自社の紹介がされた」「社長のインタビューが何日の何時から放送される」とだけ発信するのではもったいない。そのテレビ特有の“ワクワク感”を従業員が共有できるようにする発信が有効だ。例えば、楽屋のようす、番組の台本などテレビ制作の裏側を紹介したり、どんなことを聞かれたのか、どんな人と共演したのか、出演した感想、収録10分前のようすなど、ちょっとした工夫によって企業への信頼感やエンゲージメントを向上させる発信につながる。

「テレビ露出は、社内外どちらにおいてもインパクトを与えることができるものです。広報担当者にはその効果をよく理解し、最大化させるための一番良い発信の方法を追求してもらいたいです」。

大林健太郎(おおばやし・けんたろう)氏
千葉テレビ放送プロデューサー。企業のニーズを直接番組に反映させる独自の番組モデルを構築し、芸人のナイツ初の冠番組『ナイツのHIT商品会議室』をはじめ12本のレギュラー番組をもつ。企業にはテレビで放送後の、「2次利用」の重要性について啓蒙している。

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