「今回のコロナ禍で、広報をはじめ大学の経営力の差が見えた気がします」。4月24日に大学特集を取材しているというビジネス誌の記者からの言葉です。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、4月7日に追手門学院大学のある大阪府を含む7都府県に緊急事態宣言が出され、4月16日にはその対象が全国へと拡大されました。ここに至るまで各大学はすでに学位授与式や入学式を中止または縮小したり、例年は4月上旬から始めていた春学期授業の開始日を遅らせることを発表したりするなど対応に追われていました。
大学ごとに差が出たコロナ対応
いざ4月に入ってみると各大学の対応はまちまちで、追手門学院大学のようにすべての科目をウェブ活用による遠隔授業で実施し、例年どおり4月上旬(本学は9日)から春学期の日程をスタートさせた大学はごく少数に留まりました。
図表1は、文部科学省が4月10日時点でまとめた授業開始の対応状況で、この当時緊急事態宣言が出された7都府県に限ると、「開始時期は例年どおりだが遠隔授業を実施・検討」と回答した大学は38校、率にして10%ほどでした。「実施・検討」で10%ですから、実際に実施できた大学は数%だったとみられます。実際、本学のように4月10日以前に予定どおり授業を遠隔方式で始めることを公表した大学は同規模以上の私立大学ではなかったように思います。
一方、この緊急事態宣言で教職員に対しては7割を目標に在宅勤務が求められました。冒頭の記者の言葉は、遠隔授業に移行して通常どおり春学期をスタートさせ、7割在宅勤務を目指すという2つの課題に取り組む本学について、実際に遠隔授業に参加し、私たちと意見交換をするときに(一連の取材はすべてウェブ会議システム)発せられました。
今回一連の対応ができたのは...