社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学ぶ連載です。
河村電器産業(愛知・瀬戸市)は、2019年に100周年を迎えた。今回の周年プロジェクトを進めたのは若手社員2人。コーポレートコミュニケーション室の田中美奈氏がアドバイザーとして統括を行った。
社会での存在価値を再定義
今回の周年を機に「ミッション」を再定義。2017年ごろから改めて経営層とともに社会での存在価値を見直していき、「アクティブ・ディフェンス新しい世界には、新しいあんしんを。」を定義した。2019年1月に社内で発表され、4月2日に『日経新聞』『朝日新聞』の朝刊に全面広告を出稿し、社外に向けても発表した。
「今の社会で提供すべき私たちの価値を再認識し、具体的な行動を喚起できる言葉にしたかった。創業時からの方針は変わりませんが、コピーライターの方も交え何度もディスカッションを重ね、100年前の文章をより分かりやすく、伝わりやすいものを意識しました」と田中氏は説明する。
モノではなく記憶で残す
周年の式典は、全従業員が参加するものとは別に、地域ごとに「家族」も参加できる食事会を実施した。札幌、東京、名古屋、大阪、福岡で計8回開催。累計2448人が参加した。
ここで行ったのがプロのカメラマンによる撮影会。企業ロゴや周年のロゴパネルなども用意し、個人、家族、同僚などと本格的な撮影会を行った。撮った写真は各会場の集合写真と一緒に『Photo book』として1冊にまとめたほか、家族(個人)写真は1枚1枚プリントし、フォトフレームに入れてデータと合わせ各個人に配布していく予定だという...