新型コロナウイルスの感染拡大をうけ、従業員を取り巻く環境は大きく変化している。この状況下で発生した不安や課題の解消に「広報」担当者はどう立ち向かったのか。工夫したコンテンツや反響のあった取り組みを7社の担当者が紹介する。
8つの切り口で社内から情報を収集 全スタッフに共有
1⃣ファンケル
担当者:陣内真紀(経営企画室 広報部 主査)
DATA | |
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創業 | 1981年 |
従業員数 | 1055人(2020年3月末日現在) |
広報体制 | 6人 |
- 方法:社内イントラネット、全従業員メール一斉配信、店舗スタッフには個別配信の形で会社の取り組みのほか、ほっこりできる・家族・心通わせて(絆)・コロナに負けるな・発散・運動・食事・睡眠の8つの切り口で情報を収集し共有した。
- 目的:顔を合わせられない状況の中で、社内の一体感の醸成と先行きが見えないことから生じる不安な気持ちを解消するため。
- 開始日:2020年4月9日配信後、これまで21回配信(6月2日現在)
- 更新頻度:当初は不定期だったが、現在は2日に1度配信
- コロナ前から導入されていたMicro soft社の「Teams」とメールを活用して社内にヒアリングを行い制作。
- 文字を極力少なくし、写真で伝えることを意識/見て簡単に読めるように、情報を1枚の中で完結/在宅でも使えるイントラネット環境がないため、社内イントラ掲載だけでは、自宅待機している店舗スタッフに情報を伝えられない。そこでYouTube上に紙面を動画にしたものを限定公開でアップロード。その情報を各店長経由で店舗のスタッフに共有できるようにした
社内紙「ネットワークトピックス」
1⃣概要
2⃣制作方法
3⃣ここがポイント
社内での反響
●オンライン上での打ち合わせも最初は楽しかったですが、ずっとつながれるわけではない。雑談で息抜きする相手もいない中、この配信は、とてもありがたい。
●在宅では、資料作成などに集中していることが多く、ちょっとした息抜きに、1枚で写真中心に紹介されているので気軽に見られるのがいい。
●広報の動きが非常にスピーディー。本当にピンチをチャンスに変える動きをしていると感じる。
経営陣に店長が本音を語る オンライン懇親会開催
2⃣吉野家
担当者:寺澤裕士(企画本部 広報担当)
DATA | |
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創業 | 1958年 |
従業員数 | 1311人、パート社員数:9044人(2020年2月末現在) |
広報体制 | 1人 |
- 方法:全国を代表して4人が集まり、悩みや葛藤、吉野家の存在意義についてオンラインで語り合った。録画・編集したものを全社員に配信予定。
- 目的:緊急事態宣言後も、営業を続けてきた中で、店長たちは、どんなことを心がけ、どんなことに悩みながら店舗運営をしてきたか。改めて感じたことを語ってもらうことで、会社へのエンゲージメントを高めることが狙い。また、過去の有事の際を振り返り、店長たちのリアルな意見や感情を記録に残しておくことが必要だと思いオンラインで実施。
- 開始日:2020年4月9日配信後、これまで21回配信(6月2日現在)
- 更新頻度:「お話聞かせて下さい」は1990年に開始。3カ月サイクルで実施(通常対面開催)
- Zoomで実施。
- 社長の河村泰貴氏だけでなく、岡田英治・伊東正明の両常務も参加。
河村泰貴の「お話聞かせてください」
1⃣概要
2⃣制作方法
3⃣ここがポイント
こんな店長たちの声を聞いた!
緊急事態宣言前後での客数、客層、店内・テイクアウト比率の変化/緊急事態宣言下で店長としてどんな思いで働いていたか/不安を抱く従業員とのコミュニケーションはどのように取っているか/出勤することに対し家族の不安などはないか/お客さまからの嬉しい声 など
社内での反響
●遠くにも、同じ悩みや喜びを感じながら頑張っている仲間がいる、ということを実感できた。
あと67%