動画で社員対談を公開する新しいスタイルの社内報が今注目を集めている。YouTubeを使うことでコストは抑えつつ、成果は社内理解の促進に留まらない。人気の社内報、その実態を同番組MCの清水朋之氏に語ってもらった。
エン・ジャパンは今年で20周年を迎え、従業員数も3000人を突破しました。当社は、求人情報サイト「エン転職」の運営のほか、HRテックや海外展開など幅広く活動。また、インターナルコミュニケーションにも力を入れており、一般的に社内報というのは社内のみの閲覧になりますが、当社では2015年開設のウェブ社内報「ensoku!(以下、エンソク)」を社外にも公開しています。
エンソクは社員自身が自由に記事を執筆できる点が特徴です。大規模な社内イベントから、ふとした日常までエン・ジャパンのありのままの日々を記事として公開。記事はサイト開設日から毎日更新され、累計2000本以上を掲載。執筆を協力してくれる社員も今では100人以上います。
そして、2019年11月にスタートしたのが、当社肝煎りのYouTubeでの動画配信です。メインMCは入社7年目を迎えた私、「しみねー(愛称)」が担当し、『しみねーのWelcomeエン・ジャパン』というタイトルで、毎回ゲストの社員を招いての対談形式で展開。毎週月曜日に更新され、視聴者が“サクッ”と観られるよう、再生時間や内容の編集を心がけています。
動画で社内報、企画の経緯
ウェブ社内報があるにもかかわらず、なぜ動画の社内報にも取り組み始めたのか。その理由に社内エンゲージメントの向上が目的にありました。当社ではこれまで、サービス拡大に伴い、入社する社員が年々増加する一方、社員同士の顔と名前が一致しなかったり、他部署の仕事が不透明になってしまったりしていました。
実際に社員からも、「他部署の社員の業務内容が分からない」「エン・ジャパンは幅広いキャリアパスがあるというが、実際にどのような仕事があるのかイメージしにくい」などの声が上がっていました。その上、ウェブ社内報も頻繁に更新はされているものの、目を通している社員は少ないのでは......、という不安もありました。
そこで、まずは「当社には多様な仕事があり、各部署で活躍している社員がいること」への理解の促進と各社員が明確にキャリアパスを描けるようになることを目標に定め、その第一歩として、社員が能動的に見よう、見たいと思えるコンテンツづくりから模索し始めました。
しみねーがMCの人気番組に
「どういう発信方法が最もリーチ効率が良いのか」。部内の人間と幾度も話し合った結果...