課題解決コンサルタントとして、企業経営者らに“最短で”結果を出す方法を伝授してきた著者が、前職の花王時代に培った経験から独自のメソッドを開発。そこに書かれてあるのが仮説の重要性だ。
本書は冒頭、著者の花王時代の教訓から始まる。「実は大ヒット商品の『アタック』も仮説から生まれたのです」、そう著者は明かす。背景はこうだ。当時の開発チームのリーダーが、「今までの家庭用洗濯洗剤はパッケージが大きすぎるのではないか」との仮説に基づき開発に取り組んだところ、スプーン1杯の量で洗濯できる現在のアタックが生まれた。
「1回の洗濯に使う量が少なくなったことで、商品自体もコンパクト化。持ち運びしやすく、家に置いておきやすい、ということで大ヒットしました」(著者)。こうした成功体験が本書の裏付けとなっている。
では、本書の述べる「仮説」の定義とは。著者は「自分なりの成功イメージ」と換言する。「しかし、当然自分勝手な成功イメージを持てば良い、というわけではありません。リーダーであれば、メンバー各々の能力や成功イメージをすくいあげて、それを自身の仮説に反映させるのです。そして、自分だけでなく、チーム全員がイメージを共有できる仮説をつくることが大切です」。
次に仮説を立てるメリットとは...
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