企業の埋もれた価値を発見する「潜在価値開発®」という独自理論に基づき、マーケティング、ブランディングの戦略策定からプロモーションまでをトータルにサポートするビモクリ。同社が重視する企業の「潜在価値」とは。
企業のブランド好意度向上のためには、ブランドをつくり出す社員への企業理念の浸透(インターナルブランディング)こそが必要不可欠。そうした時世柄か、ビモクリの代表取締役社長・平野淳氏によると、近年、顧客からの依頼で増えているのが「コーポレートブランディングとインターナルブランディングを"同時に"構築したい」という相談だ。
情報が拡散しやすいネット社会の現代では、一社員の行動が企業の信頼度を揺るがしかねない。例えば、企業が広報を通じ優れた発信をしていても、企業理念の浸透が不十分であれば、社員が規範から外れた行動をとり、コーポレートブランディングの実現は遠のく。そこで同氏は、コーポレートブランディングとインターナルブランディングを一体化して向上させられる方法を本セミナーで複数、伝授した。
根本的な問題を理論で解決
まずひとつ目が、同社が独自に編み出した、その名も「潜在価値開発®」だ。これは、業種業態を問わず、あらゆる企業に共通する本質的な4つの問題、①自社の強みが分かっていない ②顧客が本当に求めているものが分かっていない ③目指すべきものが曖昧である ④成功確率の上げ方を知らない、を起点に課題解決をしていく手法だ。
編み出した経緯について、「単なる理屈ではなく、当社が実際にこれまで企業のコンサルティングを行ってきた中で、どの企業にも共通する根本的問題があることに気付きました。それが、この4つです」と平野氏は説明する。
潜在価値の共有が重要
2つ目が「潜在価値の発掘」だ。まず、同社ではブランディングを「企業の根本的な考え方を伝え、顧客の共感や信頼を獲得し、社会的存在価値を確立すること」と定義する。ここでいう"企業の根本的な考え方"とは、企業哲学や理念、世界観の他、将来実現したいビジョンといったものだ。「ただし、この企業の根本的な考え方は当事者にとって当たり前のものであることが多く、重要ではないと決めつけてしまいがちです。要するに、根本的な考え方は企業内で埋もれやすいのです」と平野氏は指摘する(図1)。
企業の根本的な考え方
● 企業の哲学
● 理念
● 使命
● ビジョン
● 世界観
● 提供価値の本質
● 商品開発の発想
● 販売の発想
● 生産の発想
出所/ビモクリ
図1 企業の根本的な考え方とは
この"根本的な考え方"(=「潜在価値」)の発掘に重きを置き、その手がかりを社長や管理職の社員などキーマンへのインタビューによって引き出す手法こそが、同社の売りとなるコンサルティング手法だ。インタビューで引き出した後は、❶インタビューで聞き取った潜在価値を社員に共有 ❷ブランディングのコンセプト開発の過程に全社員を参加させる ❸社員を参加させるだけでなく評価もさせる、の3つの過程を踏むのだ。
「よくありがちなのが、❷のコンセプト開発をプロジェクトメンバーだけで核の部分をつくってしまうことです。しかし、それではいけません。つくる段階から社員を巻き込むことで、参画意識を持たせ、社内の価値共有と社外へ発信する価値構築を一体化して進めることができます」(平野氏)。
実際に、コンセプト開発のプロジェクトに参加した社員からは、「自社の強みや自社の将来を深く考える良い機会になった」「仕事に誇りを持つことができた」「自社の価値に気付き、仕事へのモチベーションも向上した」などの意見が寄せられているという。

ビモクリ
代表取締役社長
平野 淳氏

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