社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学ぶ連載です。
ボイラの製造販売において日本トップのシェアを持つ三浦工業(愛媛・松山)。2019年5 月1 日に設立60周年を迎えた。今回、ターゲットを社内に設定。社内コミュニケーションを意識した施策を展開した。企画統括部 ブランド企画室 室長の永渕竜朗氏は「人間でいえば還暦を迎える区切りの年。環境問題についてより取りざたされるようになった今、企業としても事業の転換を求められています。次の時代に向けて新たなチャレンジをしていく上でも社員のエンゲージメントを高め、目指す方向性や気持ちをひとつにする機会にしたいと考えました」と振り返る。
イベントは2万7000人参加
まず取り掛かったのが「そのひらめきに、愛はあるか。」のコピーを新たに掲げたコーポレートブランディング。ひらめきを意味する「!」と人(愛)を意味する「i」をモチーフにしたロゴマークに込められた想いと一緒になるよう、周年のすべての施策のタイトルには「愛とひらめき」をつけて一貫性を持たせた。
社内での新しいブランディングへの認知と理解を得るため、本社を置く愛媛をはじめ全国14カ所で社内向け60周年記念イベント「愛とひらめきミーティング」を開催。役員をはじめ社員とその家族も参加し、交流を深める場とした。
また、全国5会場で社外向けに開催し、累計2万7000人が参加した「愛とひらめきミウラフェア」では、本社からも多くの社員が運営として参加。日ごろ会うことが出来ない全国の社員やお客様と直接コンタクトをとれる場としても活用した。「フェアのコンテンツは今ある技術や商品の説明はもちろん、未来への指針を共有できるものを意識しました。社員からは運営を通して自社理解が深まったという声が多く聞かれました」。
環境理解をプラネタリウムで
また...