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記者の行動原理を読む広報術

連日の報道がコロナ一色に 広報は社会変化に結び付けて

松林 薫(ジャーナリスト)

東京オリンピック・パラリンピックが延期になり、連日新型コロナの話題が報道され、危機感が高まっている。このような時期でも取り上げられる話題の特徴を分析した。

日本政府などは3月下旬、新型コロナウイルスの世界的拡大を受けて東京オリンピック・パラリンピックを1年程度延期する方針を決めた。時期を同じくして、都市部を中心に新型肺炎の認知件数が急増。4月7日には安倍晋三総理大臣が緊急事態宣言を行うなど、緊迫感が急速に高まった。今回は、このような非常事態下での広報戦略について考えてみたい。

記者の頭は新型コロナ一色に

新型肺炎などパンデミックに直接関連する広報については前回の巻頭特集内で取り上げた。しかし、東京五輪が延期され、ウイルスとの戦いが長期化する中では「通常の広報活動」についても見直しが必要になってくる。

3月下旬以降、記者の頭の中は新型コロナ一色になった。極端な言い方をすれば、新型コロナに関係しないニュースは眼中にない。時局が変わる前に取材を終えるなどして仕込んでいた企画も、上司に提案すれば「こんな能天気な記事が出せるか」と一蹴されてしまう。すでに、記者から「取材済みのネタがボツになった」という連絡を受けた広報は、少なからずいるのではないだろうか。

そうした雰囲気の変化は紙面にどう表れるのか。東日本大震災が起きた2011年の全国5大紙を例に見てみよう。図1は、筆者が日経テレコン21という記事データベースで特定のキーワードを検索し、ヒット件数の推移をグラフ化したものだ …

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