PR会社などで活躍する若手・中堅のPRパーソンが現場の仕事やPRの未来像を語ります。
DATA | |
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創業 | 1985年 |
代表者 | 次原悦子 |
沿革 | 「たのしいさわぎをおこしたい」をスローガンとし、創業以来様々なムーブメントを世の中に創出。2020年1月にホールディングス経営体制に移行し、持株会社「株式会社サニーサイドアップグループ」が誕生。 |
日本には数えきれないほどの企業が存在するが、「目玉焼き」「黄色い」「いつも何かを仕掛けている」……そんな印象を持たれている企業は、全国を探してもサニーサイドアップのほかにないだろう。2020年1月にはホールディングス化したばかりで、「たのしいさわぎをおこしたい」というスローガンを体現するようにPRに限らず様々なジャンルのコミュニケーションを手がける。
岩崎真之介氏は、入社して6年目を迎える。大学時代は音楽活動と日本の伝統芸能を子どもたちに伝えるNPO活動に没頭していた。
「学生時代から、音楽なら制作した曲をどう表現すれば自分たちの思いが届くのか、茶道ならその歴史や奥深さをどうすれば理解してもらえるかという伝え方を練るタイプでした。卒業して企業に属して与えられた仕事をすることに抵抗はありましたが、考えてみれば自分が取り組んでいたことはPRであって、そこにやりがいを感じていたことに気付いたんです」と、業界に興味を持ったきっかけを語る。
岩崎氏は施設や飲食、スポーツなど、幅広い分野を担当し、PRを通したコミュニケーション設計に携わってきた。入社当初にはある菓子メーカーを担当。テレビ露出ができないかと画策するも、競合スポンサーのつく番組への売り込みは難しい。
そこで菓子を「食べる」以外の楽しみ方として、当時海外で流行の兆しがあった「お菓子リュック」(市販の菓子などを手づくりでリュック状につなげたもの)に注目し、業界全体のトレンドとして朝の情報番組に提案。露出につながり、SNSでも話題になった結果、クライアントの需要創出にもつながった。
こうした経験がありつつ、「今、PRの目的はメディアに出ることではなくなってきている」と言う。「個人が情報発信できる今、消費者の顔を思い浮かべながらコミュニケーションをどう設計するか考えなければなりません。私たちがやるべきは単なる広報の代理ではなく、製品や企業のコミュニケーションをPRの視点ですべて見ることだと思います」。
その意味でも、クライアントのことをどれだけ理解できるかがPRパーソンの腕の見せどころ。岩崎氏は自身の長所を「先入観ありきで人や物事を見ないこと」とした上で、こう話す。
「『どこに需要があるんだろう?』と感じる製品でも、最初から『自分には関係ない』とシャットアウトしてはいけないと思っています。なぜなら、その裏で心血を注いで開発をしている人がいるから。そこを深掘りして、製品の魅力をPRのプロとして代弁してこそ、消費者に届くコミュニケーションを設計できるはずです」。
だからこそクライアントとの対話は欠かさない。「SDGsなど社会的な動きをPRに結びつけたいという相談も増えていますが、本当にその意義を把握しているか。クライアントの考えをしっかり理解することから始めます」。最近はベンチャー企業の経営者のPRコンサルティングなどを手がける機会も増えてきた。「世の中を変えていくPRにチャレンジする幅を広げていきたい」と意気込む。
お問い合わせ
株式会社サニーサイドアップ
http://www.ssu.co.jp/
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-23-5 JPR千駄ヶ谷ビル