2016年に電通グループ3社が合併する形で設立した電通デジタル。デジタルマーケティングを総合的にサポートしてきた知見をもとにオウンドメディア運用におけるポイントを紹介した。
近年オウンドメディアへの注目が高まる中で、運用や設計に悩む担当者も多いだろう。電通デジタルではデジタル専門のマーケティング会社としての知見と実績を活かし、企業のオウンドメディアの構築・運用を支援している。
顧客満足度と体験価値の向上へ
オウンドメディアクリエーティブ事業部の兵頭憲太氏は近年のオウンドメディアへの評価について「情報過多の時代に、消費者に情報を届けるのは難しい。このような環境下では、企業や商品の持つストーリーや価値を理解し、支持してくれる長期的なファンの存在が不可欠。オウンドメディアは"顧客満足度"と"体験価値"を向上させる最適なコンテンツ」と説明。
運営のポイントとしては「各チャネルに合わせたコミュニケーション設計」を挙げる。「オウンドメディアと一口に言ってもコンテンツは様々。メディアごとの特徴を理解し、消費者の接触場面、興味関心に合わせた『おもてなし=情報提供』を行うことが重要」。
例えばTwitterは匿名利用者が多いカジュアルな場であり、アンケートなどユーザーとのコミュニケーションを取る場としての利用が最適とされている。一方、コーポレートサイトなどの公式サイトは目的ありきでアクセスするユーザーが多く、関心ごとに応える内容を過不足なく紹介して態度変容させる場としての活用が有効だ。
「企業として"What to say(何を言うか)"の部分は不変的であるべきだが、"How to say(どう言うか)"でユーザーへの伝わり方は大きく変わる」と兵頭氏。「自社のターゲットに合わせ、コンテンツに優先順位をつけて最適化した運営が成功の鍵」と語った。
顧客も求めている個別仕様
同社オウンドメディアプランニング事業部の藤井貴章氏は「顧客データを活用したパーソナライズ化の方法」を解説した。
2019年、アドビシステムズが実施した調査によると「自分に合った情報が欲しい」と回答した消費者は57%。さらに、ある自動車メーカーが行った試乗モニターキャンペーンでパーソナライズされた情報をユーザーに提供したところ、モニターへの申し込み数は約4倍に増加した。パーソナライズ化は顧客の購買決定において有益な情報であるだけでなく、企業にとっても売上などのKPI達成において有効だ。
「店舗では顧客の要望に合わせて最適なサービスを判断、提供することができるが、オンライン上での最適化においては"顧客データ"の活用が肝」と藤井氏。顧客データ分析の例をいくつか紹介しながら、コンバージョン分析やサイト内導線分析のポイント、消費者の行動データと心理データを融合した分析方法などを解説した。
最後に藤井氏は、「オウンドメディア運用は、スモールスタートが重要。まずは社内の体制を構築し、着手できるところから対応していけばいい。部分的にでもデータを分析し、顧客の状況を可視化できれば、そこから新しいアイデアの発想にもつながる」とアドバイスし、会を締めくくった。
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