PR会社などで活躍する若手・中堅のPRパーソンが現場の仕事やPRの未来像を語ります。
DATA | |
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創業 | 1895年 |
代表者 | 水島正幸 |
沿革 | 1958年、自社広報とクライアント企業のPR業務を請け負う「広報課」を設置。現在は、PR発想を活かす統合プラニング局と高度専門職のPR局に人材を配し、クライアントの企業広報、PR戦略を一手に引き受ける。 |
SNSでコミュニケーションの形が日々変化する昨今、最も社会に求められているのが「PR発想」という考え方かもしれない。博報堂のPRディレクター・村山駿氏とPRプラナー・肥塚縫伊子氏は、大手広告会社に属するPRパーソンだからこそ、そう実感している。
営業を経て現部署に配属された村山氏は、大学院で都市計画を学び、2012年に博報堂に入社した。「学生時代にスマートフォンが急速に普及し、社会の変化を肌で感じていました。だからこそ業界として新しいことにチャレンジできる広告会社を志望しました」。肥塚氏は大学院で社会学を専攻し、メディア研究に注力していたが「研究以上に直接的に世の中に発信できる仕事がしたい」と2013年に博報堂へ入社した。
両者とも入社して7~8年になるが、その間にPR発想の可能性を感じるシーンに何度も立ち会ってきた。二人が口を揃えて言うのは「PRは手法としてだけでなく、発想としても重要視されるようになってきた」という言葉だ。
村山氏は、以前あるサービスの加入者を増やすことをミッションとしたプロモーション案件を担当した。限られた予算の中でどうアプローチするか。PR発想で思いついたのが、単にサービスの加入を促す施策を打つのではなく、同じサービスを提供する業界全体を盛り上げようという考えだった。ひとつの企業に光を当てるのではなく、より広い視野で社会全体を捉え、課題を解決していく。そうした考えが受け入れられ、予算以上のインパクトを残すことができた。
「露出増加より『社会にどう貢献できるか』という、もうひとつ上のレイヤーで企画を考えることができる力がPR的な思考力。まさに今、広告業界に求められているものだと思います」。
SNSによっても、PR発想ができる人の存在感は大きく増した。肥塚氏は「これまで企業は対消費者や対投資家と1対1で対話をするものでしたが、それらがすべて可視化され、企業の振る舞いを多くの人が見ている時代です。社会的な視点で物事を考えられるかどうかは、広告会社の中でも重要だと捉えられています」と話す。
数々のクライアントを担当する中で、今、社会課題と向き合いたいと考える企業は格段に増えてきているという。SNSによる監視の目への対応だけでなく、社会にどのような新しい価値を生み出すかなど、自社をどのようなソーシャルポジショニングにするかに意識を向ける人々は多い。肥塚氏も「挑戦的な社会への変化はとても嬉しい流れ。そうした思考の人々と接することができるのも、この仕事の醍醐味だと思います」と言う。
村山氏も「そうしたクライアントの課題意識を受け、解決のためにどうすれば皆が参加したくなるストーリーをつくることができるのか、知見やナレッジを貯めていきたいです。そこで培ったPR発想で、広告やプロモーションに留まらず、様々な領域で新しい可能性を見出していきたい。この会社にいるからこそ挑戦できることです」と話した。
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