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社内報のつくり方

小説仕立てで社員紹介 パーソルHDのグループ報

パーソルホールディングス

インターナルコミュニケーションを活性化させ、事業の成長を後押しする役割を担う社内報。今回はパーソルホールディングスのグループ報制作の裏側に迫ります。

パーソルホールディングス『ツナぐ』


複数の人材サービス企業などを統括する持株会社の「パーソルホールディングス」では2015年、グループ報『ツナぐ』を創刊した。「テンプスタッフ、インテリジェンスなど多数のブランドを持つ企業をルーツとするグループなので、事業の多様性や総合力を認識し帰属意識を高めてもらいたいというのが創刊の理由です」とパーソルホールディングス グループ経営戦略本部広報室の石山貴一氏は語る。

中でも特に力を入れているのが、連載企画「はたらくスケッチ」だ。グループ内各社ではたらく社員が毎号一人ずつ登場し、小説形式で彼らの仕事への想いを描く。

例えば、中国のグループ会社に異動し、現地の複数拠点でのマネジメントを経験した男性社員が主役の回では「まずはメンバーの意見を聞きつつも、会社の立場をしっかりと伝えることで、組織に一体感が生まれ、文化の違いを超えた組織運営を実現することができた」という喜びを浮かび上がらせた。

「登場人物が何をモチベーションとし、課題をどう乗り越えてきたかを自身に重ねて考えやすいよう『一人称』で語る小説スタイルを採用しました」と石山氏。あえて事前に深い下準備をせずに、ライターと取材相手を訪ね、その想いを2時間ほどかけて聞き出している。

社外にも目を向け、「はたらくこと」を各分野の仕事人に尋ねる企画が「Special Interview」。2019年夏号では、廃業寸前だった配偶者の家業を継いだ京都の伝統ある和傘店当主を訪ねた。当初は167万円だった年商が、和傘の骨組みや開閉構造を取り入れた照明器具などの開発で、2億円を超えるほどに伸びたという。「伝統は、革新の連続。お客さまがその変化を求めているかどうかがポイント」との言葉を引き出した。

同年春号のダイバーシティ特集「『普通』って、誰が決めるんだろう?」も好評だった企画のひとつ...

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