社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学ぶ連載です。
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40周年のテーマ"Not Smart, But Creative."の装飾が施された巨大トラックをステージにファッションショーが行われた。
ベイクルーズは2018年に設立40周年(40期)を迎えた。元々ファッションブランドを中心に展開していたが、現在はフード、家具、フィットネスなどの領域にも事業を広げている。
「事業が多岐に広がる中で、各ブランド個々での活動が目立ち、ベイクルーズという企業ブランド自体の認知度や求心力の低さを問題視していました。各ブランドや従業員同士の結びつきを強める上で、企業としての周年は良い機会でした」。そう語るのは同社取締役 森秀人氏だ。
ステークホルダーとの関係強化
周年プロジェクトを推進するにあたり、まず全国の従業員から企業イメージについての声を収集した。そこで寄せられたキーワードをもとに「Not Smart, But Creative.」というタグラインを設定した。
「ブランドのイメージはおしゃれでスマート。しかし従業員からは"不器用" "職人気質"といった声も多く聞かれました。企業スローガンの『創造を愉しみ、人生を楽しもう!』にもあるように、愚直に創造に取り組むクリエイティブな集団であることを社内外で発信していきたいという想いが込められています」。
2018年10月17日に行われた従業員、取引先向け40周年感謝祭では、2017年に移転したばかりの本社前でイベントを開催。同社初となる28ブランド合同のファッションショーをはじめ、飲食ブランドのケータリングなどが一堂に会し、40周年を祝った。「グループ従業員に加え、取引先約1000社の方々にも参加いただき、グループの横のつながりを深めることができた」と森氏は語る。
2019年には、仙台、京都、名古屋、福岡の4都市で40周年を記念した社外向けイベント「BAYCREWʼS FESTIVAL」を開催した。このイベントでは、各都市の特徴を活かしながら、ベイクルーズ各ブランドの商品が販売されたマーケットやファッションショー、ワークショップ、音楽ライブなどが行われ、4会場累計で約4万2500人を動員するなど大盛況に終わった。
「企画や運営は4都市で働くグループ従業員が各地でプロジェクトチームをつくり、担当しました。地域のお客さまへの感謝を伝える場としてはもちろん、地域で働く従業員の結束力を高める機会にもなりました」と担当したマーケティング統括の細川卓也氏と、同じくPR・販促Div 中根吉浩氏は説明する …