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長寿企業の極意・周年イヤーの迎え方

「デザインの松屋」を再強化 文化祭でアイデンティティを共有

松屋

社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学ぶ連載です。

社長をはじめ、役員が正面玄関でお客さまをお出迎え。銀座の火消し「も組」による木遣りも。

銀座、浅草に店舗を構える百貨店「松屋」は2019年11月で創業150周年を迎えた。松屋は古くからデザインの重要性に着目しており、1955年から国内でデザインを啓蒙する「日本デザインコミッティー」と協業し、メンバーが選定する商品を販売する「デザインコレクション」を展開してきた。2019年4月に発表した中期経営計画では「デザインの松屋」をコミュニケーションワードに設定している。

「周年を機に松屋では『デザイン=気遣い』という定義をし、接客から商品のディスプレイ、従業員の所作まですべての見直しを行いました。"デザインの松屋"を改めて多くの人に認知してもらうと同時に、今まで支えてくれた方々へ感謝を伝えることが狙いです」。そう語るのは、周年事業を統括した販売促進部 販売促進課 課長の河野新平氏だ。

70種以上のイベントで実験

周年プロジェクトのクリエイティブディレクターには、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏が参加。佐藤氏の監修のもと「百貨店、実験中。」と題し、これまで松屋、あるいは百貨店では取り組んでこなかったことに、デザインという視点で挑戦した。

特に11月2日から4日まで行われた創業祭では様々な施策を仕掛けた。「松屋の文化祭」と称し、食料品コーナーでの模擬店風の特別メニューの販売や、ファッションからリビングまで取引先と共同開発した記念商品の販売をはじめ、70種類以上のイベントを実施した。

店内では踊り場を利用し、松屋の歴代の広告や社屋のデザインを展示した「GINZAスパイラルギャラリー」を実施 …

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