企業のミッション策定だけでなく社内浸透までを担うCINRA。社員の共感を生み、オーナーシップを引き出すことができるインターナルブランディングの6つの仕掛けとは。
企業がインターナルブランディグをスムーズに推進するには、「いかに社員の共感を得るか」がポイントになる。パーソルキャリアやミクシィなど多くの企業でミッション策定とその社内浸透をサポートしてきたCINRAの宮﨑慎也氏(Ownership Company Account planner)によると、「共感を得るための"6つの仕掛け"」があるという。
社内広報に全社を巻き込む
その仕掛けは、❶早めに仲間をつくる ❷プロセスに巻き込む ❸原体験を伝える ❹他社・他者と比べる ❺とことん楽しむ ❻一貫性を保つ、の6つ(図1)。
「特に社内向けの広報はマンパワーがかけられず、情報を発信しても広がりにくいという課題がある」と宮﨑氏。そこで有効なのが❶の仲間づくり。社内を盛り上げるプロジェクトを発足し、全社からメンバーを募集する方法だ。例えば、2018年10月に開設したアサツーディ・ケイのオウンドメディア「POSTAD(ポスタド)」では、編集部を全社説明会で募集し、16人の社員が編集部に参加したいと手を挙げた。
社長の原体験を社員に共有
宮﨑氏が2019年に携わったミクシィの事業部ミッション策定では、部門トップの独断にならないように、特に❷の"巻き込む"を意識した。部内の約80人を数人ずつのチームに分けてワークショップを行い、各班のアイデアをもとに策定したのだ。「社員が"受け手"になってしまうと共感されにくいので、ミッションの語り手(主語)を現場の社員にしました」。
さらに、パーソルキャリアのミッション策定プロジェクトでは、❸原体験を伝えることの大切さ、を実感したという。「歴史のある会社では自社のターニングポイントを知らない社員がいたり、中途で入った社員がミッションと自分の仕事を重ねて考えることができなかったりといった課題があります。原体験を共有することで、共感力が高まるのです」と宮﨑氏。
そこで、峯尾太郎社長の新人時代の原体験を共有。まだ入社したばかりにもかかわらず、些細な提案や会社をよくするための意見を当時の社長が快く受け入れてくれたというエピソードで、これが今の会社のあり方の土台になっている。峯尾社長がこの体験を通して学んだ「自分で選択して行動することが大事」という考えは「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」というミッションに表れている。
以上の3つに加えて、外部の目を入れて他社・他者と比較したり、クリエイティブを活用してとことん楽しんだりといった仕掛けがある。成功のカギは、6つ目の仕掛けでもある理念・活動・現場に一貫性をもたせることだ。宮﨑氏は「これらはすべて、社員のオーナーシップにつながっています。バランスよく取り入れることで、インターナルブランディグを成功に導くことができます」と話した。

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宮﨑慎也氏

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