日本唯一の広報・IR・リスクの専門メディア

           

大学広報ゼミナール

大学とスポンサーシップ 中堅私大は教育で勝負

谷ノ内 識(追手門学院大学 総務部広報課 課長)

インターンシップの学生には、大学名入りのポロシャツを配布。

スポンサーシップと大学広報。これを聞いて思い浮かべるのは、野球場やサッカー競技場などのスタジアムで見る大学名の看板広告ではないかと思います。実際そうした例が多いと思うのですが、今回はプロサッカーチームのJリーグを取り上げて大学とスポンサーシップを考えたいと思います。

大学とJリーグの4つの連携の形

追手門学院大学は、所在地の大阪府茨木市をホームタウンのひとつとする、J1クラブのガンバ大阪とパートナーシップという形で協定を結んでいます。Jリーグは理念のひとつとして、クラブの本拠地をホームタウンと定め、地域社会と一体となったクラブづくりを行い地域に愛される存在になることを掲げています。プロ野球チームと比べ、より地域密着であり、チーム数や競技人口も多いです。

人口減少時代にあって大学も地域に必要とされなければ退場するしかなく、広報活動によって存在感を高める必要があることから、大学とJクラブは目的を共有しやすい関係にあるといえます。私たちとガンバ大阪もこの考えを共有し、共に茨木市を含めた大阪府北部地域(北摂地域)に愛されることを目指して2010年にパートナーシップ協定を締結しました。

ところで、追手門学院大学のようにJクラブと連携をしている大学が全国にどのくらいあるかご存じでしょうか?スポーツマネジメントが専門の帝京大学の大山高准教授が2017年に発表した論文()によると、1994年度から2016年度までに実に約60の大学がJクラブと何らかの連携をしているということです。

* 大山高(2017)「Jクラブと地域密着の意味需要─ドイツモデルから大学とのパートナーシップによる独自の発展へ─」、早稲田大学博士学位論文

具体的な連携の形は、大学の広告宣伝を目的とする「広告スポンサー型」、大学生のアイデアや運営を活かしたクラブのファンマネジメントを目的とする「ファンマネジメント型」、指導者や研究者の派遣協力や育成組織に人材を共有する「育成・人材共有型」、スポーツを通じたボランティア活動や社会貢献、地域スポーツイベントの開催を目的とする「地域社会貢献型」の4つの型に分けられ、各大学はこの内のひとつに特化したり、複数を組み合わせたりしています …

あと64%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

大学広報ゼミナール の記事一覧

大学とスポンサーシップ 中堅私大は教育で勝負(この記事です)
学生スタッフの育成による「直接広報」の拡大
ついに新キャンパス開設 大学広報でメディアの関心を集める好機に
独自の教育プログラムは強力な広報コンテンツ
志願者数だけが指標か? 大学広報の評価を考える
広報会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する