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大学広報ゼミナール

学生スタッフの育成による「直接広報」の拡大

谷ノ内 識(追手門学院大学 総務部広報課 課長)

5月13日に開かれた新キャンパス見学会。研修を受けた学生たちが来場者のアテンドを行った。

前回は2019年4月1日に新たに開設した追手門学院の「茨木総持寺キャンパス」を広報的視点から取り上げ、メディア見学会を中心にまとめました。今回のテーマも、新キャンパスです。そのコンセプトとそれに基づくハードとソフトをいかに伝えるか。これもまた特別なことではありませんが、来訪者や見学者のアテンドを在学生が担当しました。ハード面である施設の特徴と、ソフト面である実際どのような学びをしているのかということを、学生の声を通じて発信する「直接広報」という形で取り組んでいます。

前回、既存のイベントも含めて各種イベントの会場を新キャンパスに集中させ、より多くのステークホルダーに追手門学院の今を直接知ってもらう取り組みをしていることを紹介しました。数百人規模のイベントから数人単位の見学まで形態は様々ですが、その都度、学内の担当部署からの要請を受けて学生スタッフが来訪者の案内と説明(アテンド)を行っています。学生スタッフは「直接広報の主役」といえるでしょう。

学生スタッフの育成は、関係部署を横断したプロジェクト方式で進めました。広報課をはじめ、クラブ活動を含めた学生生活全般に関わる学生支援課、施設の管理・運営を担う総持寺キャンパス総合オフィス、学生募集を担当する入試課、式典などを担当する総務課で構成し、学生支援課と総務課の30代の若手職員が事務局を務めました。このうち広報課は、新キャンパスのコンセプトと、それを具現化した施設の見どころ、来訪者を案内するコースを説明する研修を担当しました。

“学びと実践の融合”を促す施設設計

新キャンパス(大学、中学高校両方)の教育コンセプトは、学生・生徒の主体的な学びの実現に向け、講義中心からグループワークやプレゼンテーションを取り入れた授業への転換を図るものです。現在は「WIL(ウィル)= Work-Is-Learning(行動して学び、学びながら行動する)」という独自の言葉を定義して、学びの成果を社会課題の解決と結びつける「学びと実践の融合」を目指しています …

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