社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学ぶ連載です。
公文教育研究会は、2018年に60周年を迎えた。創始者の公文公がわが子のために考案した、「自ら学んでいく力」を養う公文式学習法が“KUMON”の始まりだ。2019年6月現在で、世界53の国と地域で422万人の学習者、2万人以上の指導者を輩出しており、グローバルに教育サービスを展開している。
周年にあたっては、社長を含め、役員で構成された60周年委員会を中心にプロジェクトチームを設置。❶研究大会 ❷60周年記念式典 ❸海外指導者受け入れ ❹広報という4つのタスクごとにチームを結成し、企画立案・実行にあたった。
「KUMONで60年間培ってきたつながりの広さや深さを実感し、さらに、これからのKUMONの展望を共有できる場にしたいと思いました」。そう語るのは、広報部 広報チームのリーダーを務める、髙橋清光氏だ。
「現在、世の中でのICT化の流れもあり、KUMONも新たな挑戦に踏み出すフェーズにあります。60年というひとつの区切りで今までのKUMONを改めて振り返り、国内外に広がる社員・指導者と想いを共有できる良い機会になると考えました」。
国内外に広がるKUMONの輪
例年開催される「指導者研究大会」。今年は2019年2月10日に行われ、翌11日に「KUMON創立60周年記念式典」を開催した。全国の指導者、社員など内部向けの式典で、参加者は7500人を超えた。総合司会には開催地である神奈川県出身の俳優・谷原章介と、自身もKUMONのOGだという木佐彩子アナウンサーが参加した。
第1部、第2部では「KUMONの価値の確認」をテーマに国内外で活躍する学習者のOB・OG、指導者が登壇。それぞれのKUMONでの体験や想いを語りあった。第3部ではOBの羽生善治棋士が登壇。髙橋氏は、「様々な立場の方々にお話しいただいたことで、改めてKUMONの価値・裾野の広さを実感する式典となりました」と振り返る …