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PR会社を選定!その前に「PR活動ガイドライン」を確認しよう

2019年6月、事業会社やPR会社向けに「PR活動ガイドライン」が定められた。広報活動を進める上で、PR業務に携わる者の役割や倫理観を改めて問う内容だ。主な内容を把握するとともに、遵守すべき事項を相互に確認しておきたい。

    PR活動ガイドライン

    2019年6月13日制定
    日本パブリックリレーションズ協会

    1. パブリックリレーションズ(PR)におけるプロフェッショナルの定義

    (1)PRパーソンは、ステークホルダーと社会との間で健全な価値観を形成し、継続的に信頼関係を築くことが求められる。そのため、PRパーソンはステークホルダー間の相互理解と合意形成、信頼関係を深めるためのコミュニケーションのプロフェッショナルとして、所属する組織及び社会から期待される存在となるように努めなければならない。

    (2)PRパーソンは自身の活動を通して、創造的な社会の発展と新しい社会的価値の創出に寄与することへの自覚と矜持をもち、地球環境の保全と持続可能な社会づくりに貢献する。

    (3)PRパーソンは、法令遵守に努め、第三者の著作権及び商標権等の知的財産権、並びに名誉、プライバシー、肖像権及びパブリシティ権等の権利を十分に尊重する。また、個人情報保護法を確実に遵守する。

    (4)PRパーソンは、反社会的な勢力との関わりを排除し、かつ反社会的なコンテンツを排除する。

    (中略)

    2. 当ガイドラインで示される広報・PRパーソンとしての活動範囲

    PESO(Paid, Earned, Shared, Owned)メディアを通した活動による合意形成と信頼関係を深めるコミュニケーションの実践。

    (1)メディアリレーションズを通した合意形成と信頼関係を深めるコミュニケーションの実践。(情報掲載によるアーンドメディアの領域)

    (2)広告をパブリックリレーションズ活動の一手法として取り入れるコミュニケーションの実践。(ペイドメディアの領域)

    (3)情報発信の主体として合意形成と信頼関係を深めるコミュニケーションの実践。(オウンドメディアの領域)

    (4)シェアドメディアの一メンバーとして発信・交流等を通じて合意形成と信頼関係を深めるコミュニケーションの実践。(シェアドメディアの領域)

    3. 各活動範囲におけるガイドライン

    *日本パブリックリレーションズ協会ホームページ参照のこと

日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)は2019年6月、新たに「PR活動ガイドライン」を定めた。事業会社、PRエージェンシーを問わずPR(パブリックリレーションズ)の仕事に携わる「PRプロフェッショナル」向けに活動指針を定めたのは国内では初となる。

協会事務局によれば「PRSJ会員社はこのガイドラインの遵守を約束しており、一定のリテラシーがあるという証でもある。非会員社も含め、業界全体で指針として参考にしてほしい。新興のエージェンシーなど、新たにPR業のフィールドに出ていこうとする関係者の方々にもぜひ確認していただきたい」とのこと(なお今回、本特集で紹介しているPR会社は、会員社・非会員社の双方含む)。

同時に、事業会社に対しても「ガイドラインの規定やその精神を理解していただいた上で、PR会社への発注をお願いしたい」と述べている。

「PRの社会的責任」を意識しよう

今回、ガイドライン策定に至った背景としては、2016年に改定したPRパーソンのための「倫理綱領」がある。メディア環境の変化を受け、時代に即したPRのあり方を提示しようと2016年からワーキンググループを発足。事業会社、大手PR会社からそれぞれ3人ずつの計6人、さらに事務局を交えた8人のメンバーで協議を重ねてきた。

海外ではロンドンに本部を置く国際PR協会(IPRA)、アメリカの非営利団体であるPRSAが同様のガイドライン策定では先行しているといい、動向を捉え参考にした部分もある。

最もこだわったのが、PR業務が拡大するなかでPRパーソンにとっての「社会的責任」を強く意識するということ。

「従前にも増して、事実に基づく正確性と公平性を意識したPR活動を提唱しています。特にソーシャルメディアの広がりや情報発信者の多様化とともに、記事体広告における関係性の明示や広告クレジットの徹底については協会としても強く訴えたかった部分でした」(PRSJ事務局)。

「PR」表記は推奨しない方針

以上を踏まえたガイドラインのポイントとして、(ポイント1)統合コミュニケーションのフレームワークとしての「PESO」に基づき、方針を整理したという点が挙げられる。PESOモデルはアメリカのPRパーソン、ジニ・ディートリッヒ氏が2014年に提唱したのが起源とされている。

    POINT

    (ポイント1)PESO視点での整理

    統合メディアコミュニケーションのフレームワーク

    P=Paid media 「買う」メディア(広告やイベントのスポンサーシップなど)
    E=Earned media 「獲得する」メディア(ニュースメディアにおけるパブリシティなど)
    S=Shared media 「共有される」メディア(ソーシャルメディアやブログなど)
    O=Owned media 「所有する」メディア(コーポレートサイト、ブランドのソーシャルメディアアカウント、広報誌、店舗やミュージアム施設など)

    PRSJ発行『PR手帳』PR用語ミニ辞典より

ガイドラインを読み解くと、Paid media(広告やイベントのスポンサーシップなど)、Earned media(ニュースメディアにおけるパブリシティなど)、Shared media(ソーシャルメディアやブログなど)、Owned media(自社サイト、公式SNSアカウント、広報誌、施設など)という4つの領域ごとに留意点を記していることが分かる。

また、策定にあたっては(ポイント2)JIAA(日本インタラクティブ広告協会)の「インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン」、WOMJ(WOMマーケティング協議会)の「WOMJガイドライン」との協議も並行して実施した。特にネイティブアド、インフルエンサーマーケティングの領域においては両団体と認識を一にしており、先行する2つのガイドラインの内容に準じている。

    (ポイント2)他団体のガイドラインと連携

    JIAA(日本インタラクティブ広告協会)の「インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン」、WOMJ(WOMマーケティング協議会)の「WOMJガイドライン」も参照のこと。

なかでも業界内で争点となっているのが、(ポイント3)記事体広告やネイティブアドにおける「PR」表記の問題だ。広告料金が発生している案件において媒体社によっては「PR」と表記しているケースが見受けられるが、PRの本来の意味であるパブリックリレーションズの定義に照らすと誤解を生じさせる恐れがあるためだ。これに関して、PRSJとしては「PR表記は推奨しない」ことを明確に規定し、前述の2団体にも理解を求めたとしている。

    (ポイント3)「PR」という表記は推奨しない

    各種媒体で記事広告・ネイティブ広告を展開する際は、「PR(パブリックリレーションズ)」に対する誤解を生じる可能性がある「PR」という表記は推奨しない。広告によるコンテンツと明示する。

「PRはプロモーションの略でもなく、AD(広告)と同義でもない。パブリックリレーションズです。その本来の意義に立ち返ってほしい」とPRSJ事務局では話している。

誤解を生む表現が炎上を招く

ソーシャルメディアにおいてインフルエンサーやブロガーらとの金銭の授受が発生している場合の便益タグとして「#PR」を使用することも同様にNGだ。(ポイント4)その場合は「#プロモーション」「#スポンサード」などのタグを用いるようにガイドライン内で促している。

    (ポイント4)便益タグの付記(#プロモーション、#スポンサードなど)

    ブログ、SNSにおける情報発信者に何らかの金銭・物品・サービスなどの提供を行う場合、その提供の主体(事業者など)と情報発信者に関係性があることを明示する。

なお、本ガイドラインを守らなかった場合の罰則は存在しないが、「倫理綱領とも照らし合わせてPRSJ会員社に逸脱する行為が見られた場合、委員会で審議にかけることもある」とのことだ。「PR表記など誤解を生じさせる表現を用いることで、炎上などのネガティブな反応や企業イメージの低下を招く可能性が高い」とPRSJ事務局は警告している。企業のレピュテーション管理の観点からも、PRSJでは本ガイドラインの遵守と理解を引き続き求めていく意向だ。

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