ビモクリの平野淳社長はヤクルト本社でのマーケティング・広告宣伝の経験から、企業内に埋もれた独自の価値を活かす「潜在価値マーケティング」を提唱している。この考えのもと、ブランドコミュニケーションストーリーの開発方法などを解説した。
ビモクリが提唱する「潜在価値マーケティング」とは、多くの企業に埋もれている独自の価値を活かしたマーケティングの新戦略のこと。ここで言う"独自の価値"とは、社風、企業理念、開発者のエピソード、技術力などであり、企業内に蓄積された資産を大いに活用することができる(図1)。
これらは目に見えないものの、コーポレートブランドを形成する重要な資産でもある。本講演では、新しいコミュニケーションを生み出すために「潜在価値」を開発するフレームワーク、顧客の心を動かすストーリーづくり、事前検証の重要性などについて同社代表の平野淳氏が解説した。
顧客の心を動かし、共感を得る
平野氏はヤクルト本社での商品マーケティングや広告宣伝の経験から新しい戦略モデルが必要と考え、2013年にビモクリを創業した。現在はBtoCやBtoBを問わず、大手企業のマーケティング戦略立案から広告制作、プロモーション全般まで支援している。
平野氏によれば「企業ブランディングと製品ブランディングとインターナル(社内)ブランディングは一体化して推進することができる」という。いずれも前述の「潜在価値マーケティング」がベースにあり、「ブランディングのためには顧客の心を動かし、共感を得ることが必要」という考えからだ。
共感を得るためには、「ブランドコミュニケーションストーリー」の開発が求められる。ある損害保険会社のストーリーを例に説明すると、顧客の心を動かすまでの階層を4つに分けることができる。❶問題の重要性の理解(リスク) ❷カテゴリー(損害保険)の重要性の理解 ❸企業への信頼 ❹商品・サービスの(保険サービス)優位性の理解、といった流れだ。
これらを促すコミュニケーションの実践にあたっては、顧客に対する事前の検証も重要となる。「このステップを忘れがちだが、効果を最大化するためには必要」と平野氏。「グループインタビュー形式で表現の理解度や共感性とともに、メインターゲットに届いているかというセグメント別の反応も見ていきます」。
段階を追って全社員を巻き込む
最後に、平野氏はコーポレートブランディングとインターナルブランディングの一体化のために必要なステップも解説。❶コーポレートブランディングの表現開発のステップに参画させる ❷潜在価値(ブランドコミュニケーションストーリー)の共有 ❸全社員(幹部・リーダー・社員別)の参画 ❹質問型コミュニケーションによるインプットと意見収集、といったポイントを挙げた。
「ワークショップや全社アンケートを交えつつ、コアメンバーから推進メンバー、全社員へと巻き込んでいく流れが重要」とアドバイスした。

ビモクリ
代表取締役社長
平野 淳氏

お問い合わせ
株式会社ビモクリ
http://bimocre.com/
〒107-0062 東京都港区南青山3-1-3 スプライン青山東急ビル6F
TEL:03-4577-8999
FAX:03-4333-7433
info@bimocre.com