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REPORT

「SDGs未来会議」 大阪で2万5000人が体感

宣伝会議と大阪青年会議所は、2019年6月13日から15日まで、グランフロント大阪(大阪市)で「SDGs未来会議」を開催。SDGs(持続可能な開発目標)の意義や狙いを幅広い人に理解してもらうため、子どもや家族向けの「For FAMILY」と、ビジネスパーソンに向けた「For BUSINESS」の2つのプログラムを実施した。

G20サミット開幕直前の大阪 子どもから大人まで、SDGsを学ぶ

For FAMILY

「SDGs子どもサミット」では、スペシャルサポーターを務めたタレントの鈴木福くんが、約20人の子どもたちとともに90分かけて社会課題について話し合った。最後の発表会では、解決策のひとつとして「有名人に発信してもらう」というアイデアが出たため、福くんは「いい影響力を持ち続けられるように頑張ります」とコメントした。サミットの記録はパネル化され、G20のレセプションパーティーの会場での掲出も。



For BUSINESS

「For BUSINESS」では、環境省 環境事務次官の森本英香氏をはじめとして、日本や世界をけん引する約20人のキーパーソンが登壇。企業によるブース出展もにぎわった。

協賛企業一覧
ダイヤモンドスポンサー パナソニック株式会社
プラチナスポンサー 株式会社アワーズ/株式会社エコスタイル/株式会社ベネッセホールディングス/株式会社Looop
ゴールドスポンサー AGC株式会社/カルネコ株式会社/協和発酵キリン株式会社/Sungrow Japan株式会社/株式会社新興出版社啓林館/株式会社電通/日本ガイシ株式会社/公益財団法人 日本数学検定協会/ヤマハ株式会社/ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社
シルバースポンサー アートコーポレーション株式会社/カンサイ建装工業株式会社/サントリーホールディングス株式会社/株式会社三陽商会/パルシステム生活協同組合連合会/味覚糖株式会社/ヤフー株式会社/株式会社リゾートライフ

PICK UP 1
SDGsは発信力の強いキーワード 企業ブランディングにも活用を

SDGsは国連に加盟する193カ国のコンセンサスをとった世界の共通言語であり、発信力が強いキーワードだ。そのため企業広報は、企業ブランディングの観点からSDGsをとらえることができる。社会情報大学院大学 客員教授の笹谷秀光氏は「広報パーソンには、ぜひSDGsの"発信力の強さ"を広報活動に活かしてほしい」と話す。

2018年ごろから、SDGsをビジネスに組み込む企業が増えてきた。「まだ取り組んでいない企業は、まずはできることから始めていただきたい」と笹谷氏。すべてのゴールと事業活動との紐づけをする企業もあれば、マテリアリティ(重要課題)を特定する企業もある。特に企業や自治体と親和性の高いゴールは、ゴール11「住み続けられるまちづくりを」やゴール12「つくる責任 つかう責任」だ。

さらに、経営戦略そのものにSDGsの考え方を反映するだけでなく、CSR活動や具体的な商品にのみ当てはめている事例もある。例えばパナソニックでは、CSR活動の一環で充電式電灯「ソーラーランタン」の寄贈プロジェクトを実施し、ゴール4「質の高い教育をみんなに」に貢献している。

同社は2018年11月にパリで行われた大阪万博誘致を訴える日本政府の最終プレゼンに登壇し、この事例を紹介した。「いち企業の取り組みの発信が、万博を呼ぶひとつのきっかけになった好事例です」と笹谷氏。「企業や自治体は、組織内でSDGsに関する発信をワンボイス化し、積極的に広報してほしいです」と話した。

社会情報大学院大学
客員教授
笹谷秀光(ささや・ひでみつ)氏

東大法学部卒。1977年農林省入省。環境省大臣官房審議官、農林水産省大臣官房審議官、関東森林管理局長を経て2008年退官。同年伊藤園入社、取締役などを経て2019年退職。同年より現職。

PICK UP 2
SDGsの一般認知率は16% 国内ではビジネス文脈が圧倒的

「地球は子どもたちからの借りもの。同じ状態か、もっといい状態にして返す必要があります」。国連広報センター 所長の根本かおる氏はそう訴えた。

電通の生活者調査(2019年)によると、SDGsの認知率は16%(前年比1.2ポイント増)とまだまだ低い。根本氏は「女性より男性の認知率の方が圧倒的に高い。これは、日本においてSDGsがビジネス文脈で語られる機会が多いということの表れではないでしょうか」と分析する。国連広報センターでは、一般市民に足元のアクションと世界の課題とをつなげて考えてもらえるように広報活動に力を入れている。

例えば2018年9月にYouTuberとしてデビューしたハローキティとのコラボ。「ハローキティチャンネル」では、月に1度はSDGsに関する話題を投稿していて、根本氏が自ら出演したこともある。他にも、阪急電鉄と阪神電気鉄道が企画した「SDGsトレイン」(2019年5月27日から運行中)への後援なども行っている。

根本氏は、深刻さを増す気候変動についても解説。世界中の4割が水不足に陥っているという現状や、21世紀末には東京が屋久島並みの高気温になるかもしれないという研究結果を紹介し、警鐘を鳴らした。

2019年は、9月に国連本部で各国の首脳がSDGsについて話し合う「SDGsサミット」が開催される特別な年。さらに、2020年には"SDGs五輪"、2025年には"SDGs万博"が控えている。根本氏は「一人ひとりがアクターとなってSDGsを達成できるよう、ぜひそれぞれの会社で社内研修をしてください」と締めくくった。

国連広報センター 所長
根本かおる(ねもと・かおる)氏

テレビ朝日を経て、1996年から2011年末まで国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)にて、難民支援活動に従事。ジュネーブ本部では政策立案、民間部門からの活動資金調達のコーディネートを担当。WFP国連世界食糧計画広報官、国連UNHCR協会事務局長も歴任。2013年8月から現職。

TOPICS

笑い飯が"SDGsババ抜き"に挑戦 子どもたちと社会課題を学ぶ


会場ではお笑い芸人「笑い飯」の2人らが、子どもたちとともに社会問題に関する大喜利や、オリジナルの"SDGsババ抜き"などのゲームで、楽しみながら世界の課題を学んでいた。いずれも"SDGs芸人"として知られる、たかまつななさんによるプログラム。たかまつさんは「笑下村塾」を経営しており、企業や自治体などでSDGsを学ぶための研修などを手がけている。

photo/中村光明、長谷川佳之、樋口尚徳

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