媒体や記者ごとに「使いやすいリリース・使いにくいリリース」の基準は様々。配信方法や配信内容、画像素材の扱い方など悩む人も多いのではないでしょうか。そこで新聞・雑誌・ウェブなど複数の媒体に記事を書いている現役ライターに、「リリースを受け取る側」の本音を明かしてもらいました。
記事ネタを効率的に届けられるメール配信
出版社とグループ内のニュースメディアを経て、フリーに。筆者は新聞、雑誌、雑誌のウェブメディア、ウェブのみのメディアと幅広い媒体で執筆しています。企画の提案から行うことが多いため、プレスリリースは最初に情報を入手するきっかけとしてとても大切にしています。
今回はスムーズに記者や編集部に企画提案を行ったり、より良い内容を発信したりするためにリリース発信元とメディア担当者の理想的な形を考えてみました。
1 日々どのくらいの本数のリリースを受け取っているの?
メールだけで毎日100通、多い日で200通
私の執筆分野はグルメにファッション、旅からガジェットまで含めたライフスタイルにまつわるもの全般。掲載の可否は、各編集部から事前に提示されている読者層や希望条件に沿うものから選び、編集部に都度確認をとって進めています。
プレスリリースは配信会社経由のものも含めるとメールだけで毎日100通、多い日で200通ほど受け取っています。個人宛でこれですから、編集部名義宛の郵送やファクスなども含めると幅広いジャンルを扱うメディア単位ではもっと多いでしょう。
2 配信会社経由で届くメールのリリース、読んでる?
企画を立てるときに活用しています
『広報会議』による広報担当者を対象とした調査によると(図1)、プレスリリース配信サービスを約半数が「効果あり」と回答しています。受け取る側からしても普段付き合いがない企業やPR会社の情報も受け取れる点は重宝しています。メディア内でも担当が変わったり退職したりした場合、次の担当者にすべての関係先を引き継ぎするのは難しいです。担当が変わっても、配信会社に受信登録さえすれば共通の情報を一律で入手できます。
また、メールで届いたプレスリリースは、企画を立案する際に自分のメール内をキーワード検索してテーマに即したリリースを探すことがあるので、ファクスよりもアーカイブとして引き出しやすいのも利点です。
ただ、同業他社メディアも同じ情報を入手できるため、内容の差別化がしにくいというデメリットもあります。
3 リリースの書き方のトレンド、気になる点は?
エイプリルフールは混乱します!
最近、個別に送られてくるリリースのメール本文に要約見出しを入れはじめたPR会社がありました。ニュースサイトでも使われているテクニックがプレスリリースのメールにも採用されていることは面白いなと思いました。有効なテクニックかは分かりませんが、忙しい記者やライターに読んでもらうためのアイデアですよね。
あと、エイプリルフール向けのリリースはそう分かるように前半に書いておくべき。エイプリルフール当日が月曜日の場合、前の週の金曜日の昼などに配信してウェブ媒体での記事化を狙うのはいいのですが、受信する側は3月29日。ましてや、エイプリルフール向けの記事を載せない媒体にとっては必要のないリリースで、ただでさえ忙しい月末の金曜日。誤解しやすいリリースを配信した企業に対して、嫌な印象を持ってしまう可能性もあります。
あって嬉しかったのは、表記のルール提示。イベント名の正式名称の表記が半角アキか全角アキか、英字とカタカナの優先表示について書いてあるとこちらもすっきりするので、導入するところが増えてほしいです …