報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。
宝島社『sweet(スウィート)』
【基本情報】 | |
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発売 | 毎月12日 |
部数 | 17万8073部 *日本ABC協会 雑誌発行社レポート2018年下半期(7~12月) |
創刊 | 1999年3月 |
編集体制 | 編集部員は、編集長の渡辺氏を含めて8人。美容担当が2人、ファッション担当が6人で、ファッション担当のうち1人が付録も担当している。 |
反響の大きかった記事・特集
❶安室奈美恵×sweet 最後のカバーストーリー(2018年10月号)
安室奈美恵の引退特集。2000年から同誌に登場している安室さんのベストカットを40ページにわたり掲載。安室さんにとっても、雑誌への登場は当該号が最後となった。
❷〈付録〉SNIDEL春色コスメ4点セット&花柄ポーチ(2018年5月号)
一般には販売されていないファッションブランド「SNIDEL」のコスメ。アイシャドウパレット、リップ&チーク、マルチクレヨン、リップグロスのコスメ4点に、ポーチも付けた。
❸「可愛い」以外は何もいらないっ!(2015年8月号)
小嶋陽菜の表紙と裏表紙が話題になった号。特集に合わせて、何も着ていないかのように見えるセミヌード写真を採用した。ファッション誌なのに「洋服を着ない表紙」は初の試みだった。
女性ファッション誌『sweet』(宝島社)は1999年3月に創刊し、2019年に20周年を迎えた。創刊時から「28歳、一生"女の子"宣言!」をコンセプトとし、20代後半から30代前半の女性を主な読者層としてきた。2009年には、初めてファッション誌の販売部数1位を獲得。以降、累計実売部数(*1)も1位を更新し続けている。
宝島社の雑誌といえば、豪華な付録も魅力。同社は2004年からすべてのファッション誌に付録を導入しているが、その先駆けが2002年に付録ありで販売した『sweet』だった。
ワンピースが日常着に
今でこそ「28歳、一生"女の子"宣言!」というコンセプトのもと多くの女性から支持を得る『sweet』だが、「創刊当初はあまり売れていなかった」と、同誌編集長の渡辺佳代子氏は語る。当時の28歳には、「いつまでも大人気ない格好をしていては恥ずかしい」という認識があり、通勤のための服はスーツに準じるものを選んでいた。そもそも読者となるはずの"かわいい格好をしている28歳の女性"が存在しなかったため、スタートは世間の認識を変えることからだったという。
『sweet』のコンセプトが広く世間に受け入れられるようになった理由は「その方がお得で楽だから」と渡辺氏。世間の認識を変えるために繰り返し特集したのはワンピース。デザインがかわいらしく着心地がいいうえに、オン、オフ、冠婚葬祭など、どんな局面でも着られる優れたアイテムでもある。『sweet』で特集しているうちに、初めは主に冠婚葬祭用のコーナーでしか売られていなかったようなワンピースが、日常的に着られる服としての市民権を得るまでになった …