NHKのディレクターから福井県の広報担当に転身した岩田早希代氏が、2016年に立ち上げたYouTube番組「おいでよ!ふくい」。予算ゼロ・担当者1人という状況下で人気番組に育て上げた経緯とは。
福井県 広報体制 | |
---|---|
広報担当 | 13人(うちYouTube担当は1人) |
業務内容 | ①新聞・広報誌・テレビ・ラジオなどによる県政広報 ②SNS・動画共有サイトでの情報発信 ③メディアリレーション、定例記者会見 |
目的 | ①③主要な施策についてのお知らせやニュース、イベント告知などを県民に伝える ②「幸福度日本一」の福井県の魅力を全国に発信する |
広報担当が「あわら湯かけまつり」でびしょ濡れになったり、無人島でシュノーケリングをしたり。異色の体当たりレポートで「お役所の動画じゃないみたい」「公務員YouTuber最高!!!」などと話題を集めている、福井県のYouTube番組「おいでよ!ふくい」。
番組の企画・撮影・出演・編集・配信のすべてを担当するのが、広報課主査の岩田早希代氏だ。NHK福井放送局でディレクターを務めた経験を活かし、2016年7月に映像制作専任職員(任期3年)として入庁。番組の立ち上げから一任され、総再生回数60万回以上のチャンネルに育て上げた。
その実績が評価され、2018年8月には「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード」(ウェブメディア「Heroes of Local Government」主催)を受賞している。
360度動画で最高再生回数に
番組がスタートした2016年は、"自治体PR動画戦国時代"の幕開けの年。その前年、国が市町村の移住促進PR動画への助成を発表し、多くの自治体が参入したのだ。福井県もご多分にもれずこの流れに乗り、岩田氏を新たに採用した。
ただ、「おいでよ!ふくい」は移住促進や観光客誘致など具体的な目的は定めていない。「まずは動画制作のノウハウを貯め、継続的に運用できる体制を整えることが目的」と岩田氏 …