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編集会議2019 SPRING

コンデナスト北田社長が語る新戦略「強いコンテンツとエクスペリエンスを創出」

デジタル事業の好調により、3期連続で過去最高益を更新しているコンデナスト・ジャパン。2019年度からの中期経営計画ではその勢いを加速させようと、北田淳社長は5つの柱を掲げた。デジタルとリアルの双方から「プレミアムニッチ」に強いブランドビジネスを推進している。

コンデナスト・ジャパン 社長/発行人 北田 淳(きただ・じゅん)氏
1991年武蔵大学を卒業後、アド電通東京に入社。その後、中央公論社に入社し、広告局でGQ JAPANとmarie claireの広告を担当。1997年コンデナスト・パブリケーションズ・ジャパン入社。広告・マーケティング部長などを経て、2010年現職。

売上高のデジタル比率が4割に

──2018年は『GQ JAPAN』創刊15周年、そして本年は『VOGUE JAPAN』が創刊20周年を迎えます。直近では3期連続過去最高益を更新していますが、その要因は。

最大の要因は、新規ビジネスが開花したこと。特に企業のブランデッドコンテンツなどの企画制作を担う事業「コンデナスト・クリエイティブ スタジオ」の急成長が全体を押し上げました。

スタジオ事業には「ブランデッド」と「ホワイトレーベル」の2種類があります。前者はクライアントのクリエイティブエージェンシーの機能を持っており、現在は『VOGUE JAPAN』のスタジオで宝飾品メーカーの純広告を制作したり、ブランドが主催するパーティーの演出を手がけたりしています。今後、『GQ JAPAN』や『WIRED』のスタジオもオープンする予定です。

「ホワイトレーベル」もクリエイティブエージェンシーとしての機能を持ちますが、主な事業はクライアントのオウンドメディア開発です。外資系自動車メーカーのオウンドメディアなども担当しています。当社はメディア運営会社ですから、そのスキルを横展開できる点が強み。コンテンツの開発・運用・データ分析までワンストップで提供できます。公式SNSアカウントのコンテンツ開発や運用などの仕事も増えていますね。

特にオウンドメディアは一度始めると決めたら延々と継続しなければならないですが、専業のチームを持てない企業がほとんど。どこか外注先にワンストップで運用してほしいというニーズがあると感じています。

プリントビジネスもコストの適正化に着手したこともあり、思っていたほど動向は悪くなかったですね。日本のマガジンカルチャーはまだ健在ですし、デジタルビジネスが二桁成長している点も大きいです。昨年度の売上比率はプリント50%、デジタル40%でした。2019年はさらにデジタルが成長して、おそらく3年以内には4対6ぐらいに逆転すると見ています。

ビジネスのポートフォリオが変わったことで、求める人材も大きく変化しました。デジタル人材は売り手市場ですが、ブランドビジネスに共感し、コミットできる人は貴重です。データアナリストを採用するだけでもすごく大変ですが、当社の場合は数字だけを追っていればいいわけではありません。"データを扱いながらもファッションが好きで、世の中のトレンドにも敏感な人"となると限られてきます。

今は約180人の社員がいますが、半分はIT・デジタルの業界出身者。ゲームやビデオなど、それぞれ専門に特化した人材が集まりつつあります。残りの半分はブランドやブランデッドコンテンツを熟知しているいわゆる雑誌出身者ですが、当社にはもうプリントの仕事だけしている人はいません。出版社からコンテンツメーカーへと変容する中で、皆が順応できることを求めているからです。

僕らはメディアの形にはこだわらず、ハイクオリティなコンテンツメーカーでありたいと考えています。それを表現したのが、中期経営計画と同時に発表した当社の経営ビジョン「We are an Inspiring Content and Experience Maker.(我々はプレミアムかつ刺激的なコンテンツと体験を創り提供する集団である)」です …

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