業界ごとに存在する数多くの専門メディア。広報担当者にとっては、メディア対応の登龍門となることも多いでしょう。その編集方針やヒット企画、注力テーマを聞き、関係構築のヒントを探ります。
『ムー』編集部DATA | |
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『ムー』は、UFOから予言、古代史の謎、都市伝説まで広く世界の不思議を扱い、2019年で創刊40周年を迎えた。2018年10月から記念展も始まり、池袋パルコ、福岡パルコ(12月~1月)、名古屋パルコ(2月1日から)と続き、以降も全国へ巡回予定。
創刊時の1970年代、ユリ・ゲラーやノストラダムスが注目を浴びたころの少年層がコアな読者だが「展示会では10代の少女がインスタ映えする写真を撮ってアップしてくれるなど新たな読者との出会いがあります」と編集長の三上丈晴氏は語る。
近年、企業や自治体とのコラボレーションも増えた。衣料品のしまむらやアイウエアのJINSが誌名をかたどるジャージやオリジナル眼鏡を発売し、2018年には神奈川県横須賀市と協働の謎解きイベントも開催した。「すべて先方からの働きかけで、当初はなぜ?と思いました(笑)」と三上氏。
2019年春、日本初の妖怪博物館「三次もののけミュージアム」がオープンする広島県三次市の市役所に、『ムー』の愛読者がバックナンバーを大量寄贈する動きも。「怪奇」や「不思議」がシティプロモーションも担う。
2019年1月号の巻頭特集では「不老不死をもたらす人魚の骨」と題し、福岡市の龍宮寺を訪ね、江戸時代に発掘された人魚のものとされる骨や人魚の掛け軸を紹介。龍宮寺には「博多七観音」に数えられる観音堂もあり交通の利便性も高いと伝え、観光スポットとしての訪問を勧めている。
著名人が登場する「私の不思議ファイル」欄では氣志團の綾小路 翔、映画監督の三池崇史やお笑い芸人のバイきんぐまで幅広い面々が登場。綾小路は「今も旅に出ると空港で同誌を買うことが多い」と語る …